――“青木真也”としてのプロ格闘家とは?
青木 僕は“自分の物語”を作っています。それは唯一無二のもので、僕にしかできないことをやっていると思う。そう言う意味で言えば、日本の格闘技界やマット界を見ても、なかなか居ない存在だと思うし、自分を定義するプロ格闘技はここ2年、3年はちゃんとできていると思います。ただ、周りの理解がなかったり、まぁ、理解を求めている時点で甘えかもしれません。ですが、自分の物語や自分の作っていくことに対して、はっきり言って、孤軍奮闘しています。正直、今はそれにちょっと疲れている感じはありますね。
――その“青木真也”が作ろうとしている物語とは?
青木 やはり、感情を揺さぶるものです。物語をそうさせるには、僕の一番のアドバンテージと言ったら、自分自身の歴史だと思います。ただ試合をしているだけではなく、より多くの人の“自分ごと”になるようなものに、その“物語”がなればと思います。
©️ONE Championship
――「Road To ONE:2nd」の試合後、“いつやめたって良い”という発言がありました。青木選手にとっての引退とは?
青木 引退って言うのは、僕の概念では、極論、存在しません。引退とは“試合を止める”ことを引退と言うから。スポーツ選手のセカンドキャリアみたいな言葉があるじゃないですか。それは“選手生活が終わったら、生まれ変わる”みたいな世界観ですよね。僕にはその考えはない。たまたま、試合をしなくなっただけ。昔から言い続けていますが、日常を切り取ったものが試合なんです。日常を切り取ったものが、試合じゃなくて違う形で出す様になる。つまり、引退っていうのは“ただ試合をしなくなる”それだけのことです。だから、引退ということを特に考えたことはないです。
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