フリーブレイズの練習の合間、昼食をとる吉田さん。アイスホッケーのチームには30人近くが在籍するだけに早朝5時から夜の10~11時まで仕事に追われているが、ご覧のように元気でした
2016-2017シーズンに『フィギュアスケート・マガジン』は5冊を発行したが、読者の皆さんからいただいたご意見・感想でもっとも反響が大きかったのが、9月下旬発売の「プレシーズン号」に掲載した吉田年伸さんの記事だった。吉田さんは羽生結弦のスケート靴のエッジ部分(金属の刃)を研磨している技術者で、ジャンプ、スピンなど羽生の高度な技術を、表に見えないところで支えている人だ。
2015年のファンタジー・オン・アイスでの『ヴァーティゴ』。10代半ばではまだ気恥ずかしかったような振り付けも、ばっちりサマになる年齢になった
私はフィギュアスケートの他にも『アイスホッケー・マガジン』(8月下旬発売)を担当していて、7月中旬、青森・八戸で活動しているトップチーム「東北フリーブレイズ」の取材に行った際、同チームのエキップメント・マネジャーを務める吉田さんに「もし時間があるようでしたら情報交換をする時間はありませんか」、単刀直入にいうと「1杯やりませんか」と連絡をし、吉田さんも「ぜひ!」ということで情報交換会という名の飲み会が実現した。
吉田さんとは主にアイスホッケーの現場で顔を合わせるが、こうしてじっくりと話をするのは1年ぶり。1年前には八戸で有名なお蕎麦屋さんで2時間ほど話を聞き、それがやがてプレシーズン号の『尽きせぬ思い』という記事につながっていった。
「あれからもう1年経ったんですね」と吉田さん。「ブログにちょこっと書くかもしれませんが、今日はレコーダーもカメラもノートも持ってきていません。取材抜きで楽しみましょう」と私。まずはビールで乾杯、そこからは吉田さんも私も元アイスホッケー選手ということで、チームのこと、リーグのこと、防具のことと話が尽きなかった。
ただ不思議なことに、アイスホッケーの話をしていても、なぜか話題は羽生結弦のことになっていた。2時間半の酒席のうち、おそらく1時間42分くらいは羽生の話をしていた気がする。吉田さんは単にエッジ研磨を担当しているだけでなく、羽生の相談相手でもある。しかも奥さんは仙台時代の羽生を指導していた阿部奈々美先生。話がとてもリアルで、かつ興味深いものばかりだった。
「羽生が僕に研磨のリクエストをしてくるメールが可愛いんですよね」と吉田さん。文面からは、彼が本当に信頼を寄せていることが伝わってくる。もちろん、話は奈々美先生のことにも及んだ。羽生が奈々美先生に会うと「僕、今、こんなことやってるんですよ」と子供のように話しかけてくること。それを聞いて、国別対抗のエキシビション前に4回転ルッツを跳んでいたのは、奈々美先生に見せるためだったのかな――という気もした。
吉田さんはスケートの技術者になる前はバンドマンだっただけに音楽への造詣も深いが、奈々美先生とともに『ヴァーティゴ』の振り付けを考えた時の話も面白かった。「あの腰の振りは僕がアイデアを出したんですが、最初はものすごく評判悪くてですね!」。思わず大根サラダを口から吹き出しそうになった。
それ以外にも、笑える話、「羽生にもそんな一面があるのか」という話、ちょっと重い話と、あっという間に時間が過ぎた。取材抜きという席だったので、そこでの話を紹介するのははばかられるが、羽生結弦は、男である私たちの目から見ても、知れば知るほどより興味をかき立てられるスケーターだということをあらためて感じた。さらにいえば、奈々美先生にも同様のことがいえる。「そうだ、次は奈々美と3人で飲みましょう」と吉田さん。吉田年伸という技術者、阿部奈々美という指導者、そして羽生結弦というアスリート。3人に対する尊敬が深まった、忘れられない夜になった。
4月、国別対抗のエキシビション練習での1コマ。会話を聞くことはできなくても、2人の姿を見れば「通じ合っている」ことは十分伝わってくる
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