開催中の世界柔道選手権で魅力的な海外選手をピックアップ。2回目はモンゴルのヨンドンペレンレイ選手を紹介します!
※写真上=日本武道館の天井に飾られた世界の国旗
写真◎近代柔道
●66kg級/B・ヨンドンペレンレイ(モンゴル)
2日目からは、大会前の世界ランク17位、66kg級のB・ヨンドンペレンレイ(モンゴル)をご紹介します。
緒戦(2回戦)で世界選手権王者のアン・バウル(韓国)を撃破して勢いに乗りました。次の試合でもジョージア選手に「指導3」による勝利を収め、4回戦で袖釣り込み腰で一本勝ち。やっと技によるポイントを奪いましたが、ガツガツと前に出ては脇から腕を差して背中をつかみ大腰気味に投げを打ったり抱きついてみたり、大味なんだけど、それが魅力という不思議な選手です。
66kg級にしては長身で手足が長く、懐が深いため相手の技をことごとく吸収できてしまうので、対戦相手はかなりやりにくそうにしている印象。というより、ちょっとびっくりしたような表情で前進し続ける姿こそ相手は怖かったかも。少なくとも見ているだけで尻込みしてしまいそうでした。
準々決勝で阿部一二三の大内刈りにはまって「技あり」で敗れ、敗者復活戦に回りましたが、3位決定戦で勝利を収め、3位入賞を果たしました。
モンゴル相撲の影響が大きいのか、首投げのような荒技に頼らず、3回戦で見せた袖釣り込み腰などの技を磨いていけば、存在の怖さに技の怖さもプラスされてやっかいな選手に成長できそう。
何かやってくれそうという匂いをぷんぷん放ち、ついつい見入ってしまう…という選手はどの階級にも2、3人はいるものですが、この人もそういう枠に入れたくなるタイプ。モンゴルにはこの階級に世界ランク6位のK・ガンボルドがいますが、今大会は不出場でした。モンゴル国内の代表争いはどうなっていくのでしょう。ヨンドンペレンレイは25歳、ガンボルドは27歳とほぼ同世代。来年の東京五輪にはどちらが現れるか。楽しみに待ちたいと思います。
文◎佐藤温夏(スポーツライター)
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