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2024-05-19

【マリーゴールド旗揚げ記念対談vol6】ジュリアvs林下詩美~前編~あの日、詩美が涙した理由【週刊プロレス】

ジュリアのトークバトルシリーズ最後の相手は林下詩美!

 5月20日に旗揚げする話題の女子プロレス新団体「マリーゴールド」。その中心人物であり、世界最大のプロレス団体「WWE」移籍もウワサされるジュリアが旗揚げメンバーとトークバトルを展開する特別企画。トリを飾るのは、ジュリアとともにマリーゴールド2トップと言われる林下詩美! 
2018年、“ビッグダディの三女”という触れ込みで大々的にデビューした詩美は早くから頭角を現し、スターダム最高峰王座ワールド・オブ・スターダム戴冠、シングルリーグ戦「5★STAR」優勝、女子プロレス大賞に女子プロレスグランプリ受賞等々さまざまな勲章を手にしてきた。だが、そんな栄光の裏側でジュリアが目の当たりにした詩美の涙とは…。
 数々の重圧を乗り越え、あらゆる意味でトップレスラーとなった詩美が繰り広げる自由過ぎる言動にジュリアが翻弄されるという珍しい場面も見られたマリーゴールド2トップ対談、前編をお届けします! なおジュリア×詩美トークバトル後編はマリーゴールド旗揚げ当日の5月20日更新予定です。
5月中旬におこなわれた直前合宿で収録
――5・20後楽園の旗揚げ戦に向け、所属選手たちと対談してきたこの企画もついにラストです!

ジュリア「対談シリーズ最後の相手は林下詩美って最初から決めてたから。今日はよろしく!」

詩美「バナナヨーグルトおいしい」

ジュリア「おい!ちゃんと挨拶!(苦笑)」

詩美「ふふ、よろしくお願いします」

――週プロのWEBサイトでジュリアさんの対談企画をやってるのは…?

詩美「知ってました。いつ(オファーが)くるのかなと」

ジュリア「ウタとは(スターダム時代は)ユニットも別だったし、話すこともほとんどなかったからね」

――対談のような形で話す機会も…?

ジュリア「ないない」

詩美「ないですね」

――そんな2人がマリーゴールドという団体の仲間になり、旗揚げ戦ではタッグを組むことになりました!

ジュリア「前よりは一緒にいることも増えたけど、タッグを組むってなったら、それはまだちょっと違和感があるというか、話は変わってくる」

詩美「組むって感じがちょっと…グッとこないっす」

ジュリア「グッとこないってなんや、少しはこいや!(苦笑)」

詩美「グッときてない(笑)」

ジュリア「たぶん我々、性質の違いというか、成分が違うんだと思う」

ーー成分? 人間としての?

ジュリア「そうそう」

詩美「流れてるものがたぶん違う」

ジュリア「その溝を埋めるために酒を酌み交わしたいって思ってたけど、カプチーノとバナナスムージーですよ」

――合宿中の宴会を抜け出して収録しています。ちょっとアルコールを抜いてもらうためにもノンアルコールで。

ジュリア「まあおいしいからいいんですけど(と言ってカプチーノを飲むと、鼻に白い泡がついてしまう)」

詩美「どうなんですか、こういうの」

――あざとかわいいですね!

ジュリア「狙ってないからな(苦笑)。(鼻が高い)イタリア人あるあるだよ。海でも鼻に砂がメチャクチャ入ったよ…」

――(無視して)対談が開始して数分程度たちましたが、ちょっとはグっときました?

詩美「きてないっすね、まだ」

ジュリア「(苦笑)。マリーゴールドが動き出して1カ月以上経つし、ここまできてグっとこなかったら、もうこないだろうね」

詩美「そうだと思う。無理にグッとこさせてもね」

ジュリア「それでいいよ、私が勝手にグッときてるから。ウタはそれでいい」
2020年12月以来、2度目のタッグを組むジュリアと詩美
――マリーゴールド2トップと言われるジュリアさん、詩美さんですが、この温度差がおもしろいですね。

詩美「試合になったらその時はその時でちゃんと。負けたくはないですから」

ジュリア「私も絶対負けるつもりはないよ。だから今回は誤爆とか無しで!」

詩美「(バナナヨーグルトを飲みながら)あ、バナナの塊入ってる(ニッコリ)」

ジュリア「なんなの(苦笑)」

――詩美さんって、もともとこういう自由な感じの人なんですか?

ジュリア「スターダム時代もほとんど接点がなかったから。どんな人かよく知らなかったけど…今、猿といる気分だよ(苦笑)」

詩美「あはは!」

ジュリア「さっきから自由すぎて、人間じゃないみたい。おかしいな、グッときてた気持ちがドンドン薄れていくような(笑)」

詩美「難しいな、これは、ウン」

――濃くしていってください…! 2人が旗揚げメインを張るわけですし、会場のファンはジュリア&詩美の勝ち名乗りで大会が締めくくられるのを期待していると思いますよ!

ジュリア「その期待には応えますよ。別に仲良しこよしをするつもりはないけど、勝つためには手を組む必要はあると思う。相手は強敵だし」

詩美「それはそうだね」

――歩み寄る必要はないと。

ジュリア「私は歩み寄ってきたつもりなんですけどね…」

――詩美さんは自然体ですよね?

詩美「ふふふ」

――詩美さんはクイーンズ・クエスト(以下QQ)もリーダーとしてメンバーをまとめてきたわけじゃないですか。当時も必要以上に歩み寄ったりはせずに、自然な距離感でやってきたんですか?

詩美「QQの時は後輩や年下が多かったので、お姉ちゃんみたいな感じでやってきましたけど、いまはキャリアも年も(ジュリアが)上だし、こっちが好きにさせてもらった方が。だって私、三女だし」

ジュリア「いままではリーダーとして引っ張んなきゃ!っていうのがあったけど、マリーゴールドでは自由に羽根を広げると?」

詩美「私、上から七番目の三女なので。甘やかされたい」

――ジュリアさんなら甘やかせてくれそうですか?

詩美「うん、ジュリアはおいしいシャンパン入れてくれそう」

ジュリア「ちょいちょい(笑)。何を言ってるんだか!私はね、チョロそうに見えるらしいけど実はそんな簡単じゃないのよ(ニヤリ)。ジュリ番は付き合い長いから知ってると思うけど、こう見えて、ちゃんと人を見るから」

――詩美さんには?

ジュリア「じゃあアスティ(※安価なシャンパン)入れちゃおうかな」
対戦するボジラにちなんで、ゴジラカレーを食べた詩美。辛さにはめっぽう弱い
――詩美さんから見たジュリアさんってどんな人なんですか?

詩美「どうだろ」

ジュリア「いいよ、遠慮せず言いたまえ」

詩美「違う存在ですよね。だって(詩美の出身は)奄美で、(ジュリアは)イタリア。私は信号のない村で育ったけど、(ジュリアは)きっとピザばっかり食べて育ったんだろうし。生き物として違い過ぎる」

ジュリア「ピザばかり食ってきたどころか、ピザ職人だったからね」

詩美「そうだ」

ジュリア「ピザ回してたよ」

詩美「私、畑でジャガイモ掘り起こしてた」

ジュリア「おっ。私も畑、実家のおじいちゃんがやってたから堆肥とかぜんぜん平気だし」

詩美「(※無言でひぇぇみたいな顔をする)」

ジュリア「なんだその顔は!引いてんじゃん」

詩美「ばっちい」

――というか、なんのやり取りなんですか(笑)。ジュリアさんがスターダムに移籍した2019年から4年半ぐらいが経ちました。一緒にゴハン食べに行ったり、リング外の接点はありましたか?

ジュリア「ないですね」

――一回も?

詩美「一回も」

ジュリア「多分だけど、スターダムいた時はジュリアvs詩美というカードを会社はメチャクチャ大事にしているんだろうなっていうのを感じていたから、余計に接点を持たないようにしてた。でも結局、シングルは実現できなかったから(タッグを)組むっていうよりも、特別なシチュエーションで闘う人って思ってて。その時が来るまで交わることはないのかなって。そう思ってる相手だからこそ、隣にいるのが違和感あるんだろうだね」

――とはいえマリーゴールドに林下詩美がいるという事実は頼もしいのでは?

ジュリア「詩美がいるって聞いて、良かったなって思った」

――どういう意味での「良かったな」なんですか?

ジュリア「まだ実現してないシングルが出来るチャンスがあるって事じゃん。あと、ウタはやっぱ存在感があるなって」

詩美「(※ビックリ顔)」

ジュリア「顔、大丈夫?(笑)」

詩美「こんなこと言われるのないんで。はずかしい」

ジュリア「私はウタの試合で泣いたことがあるの」

――なんの試合ですか?

ジュリア「朱里さんとウタのタイトルマッチ。延長戦やってドローだった試合(2021年6・12大田区)」

――それはなぜですか?

ジュリア「感動した。ふたりの入場の時点で感極まってしまったね。試合はもう、とにかく壮絶で。試合内容で泣かせることができる力を持ってる、それは誰でもできることじゃないと思うから。当時のウタってキャリアはまだ新人ぐらいなんだけど、存在は大きくなってたじゃん」

――ビッグダディの娘として鳴り物入りでプロレスデビューしましたからね。

ジュリア「これは私の勝手な想像だけど、多分めちゃくちゃプレッシャーあるなかで、ファン、マスコミ、会社…周りからすごい期待されて。東スポの新人賞を取って5★STARスター優勝して、赤いベルトも取った。それも、ものすごいスピードで。このキャリアでこんな試合やっちゃうんだって。はたから見てるのと、本人の気持ちって、想像もできないものがある。私はウタに対して、勝手にいろいろ思ってたんだよ」

詩美「がんばってましたよ。あの頃はすごくがんばってた。あまり心が強くない時期だったから。朱里さんとの試合の日はメンタルが優れなくて」

ジュリア「プレッシャー?」

詩美「なんだろう。でも、あの時は情緒がちょっとおかしくなっちゃって、試合するのが嫌で。控室の隅っこで体育すわりして泣いてたぐらい、あの日はひどかった」

ジュリア「あの試合、私は解説を務めてたんだけど、たまたま試合が始まる前に控室の横を通りかかって、体育すわりのウタがチラっと視界に入ったんだよ。大丈夫か?って心配してしまったけど、でも流石だなと思った。ものすごいプレッシャーと闘いながら、始まったら堂々と入場してきて。それだけで、私はグッときちゃって」

――当時は団体だけじゃなく、マスコミもとりあえず詩美!何かあったら詩美!みたいな状態でしたよね?

詩美「いっぱい載せていただいて(笑)」

――でも、しんどいな…みたいな気持ちもありましたか?

詩美「精神的にしんどい部分ありましたね。もともと人に注目されるのあまり得意じゃないので。あとプレッシャーがすごい苦手なので。そのぶん、がんばらなきゃって。頑張ってましたし、いまは期待されるのありがたいなって思うんですけど、当時は期待されるのがすごく嫌でしたね。まだキャリア2年、3年経ってないのにみたいな時期だったから。こんな人に期待なんてしないでよって当時は思ってましたね」

――いろいろ背負ってましたよね?

詩美「(遠い目をしながら)背負ってましたねぇ」

ジュリア「でも、あの何もかもを背負ってる感じがすごく良かった。メチャクチャかっこよかったよ。本人はシンドかっただろうけど、それが他の人にはない特別なオーラを纏ってた。キャリア2、3年て、ハッキリいったら新人の枠。それでもいろんなものと闘ってく中で、辛いこともあったと思うけど、ウタはそれを乗り越えてきた。それって誰でもで経験できることじゃないと思うんだよね。言葉は少ない人だけど、それでもあの時ウタの中にあるいろんな感情がにじみ出てて、かっこよかったんだよね、めちゃくちゃ。今はこんなお猿さんみたいな感じだけど(苦笑)」

――あの頃を乗り切ったから現在があるんでしょうか? それとも経験しないで済むなら、したくなかったのが本音ですか?

詩美「いや、経験したからこそ団体で一番のベルトも取って、いろんな団体のすごい人たちと試合してきて、防衛してきた時間があったから、いま自信を持ってリングに立ててるんだと思います」
マリーゴールド旗揚げ5・20後楽園のポスター
マリーゴールド旗揚げ戦
「Marigold Fields Forever」
★5月20日(月)東京・後楽園ホール(18:30)
▼マリーゴールド最強タッグ伝説◎ジュリア&林下詩美vsSareee&ボジラ
▼アクトレス・ニュータイム◎翔月なつみ&松井珠紗vs天麗皇希&後藤智香
▼World beauty showdown~世界美女決戦~◎桜井麻衣&ゼイダ・スティールvs野崎渚&マイラ・グレース
▼The Power Contest◎MIRAIvsCHIAKI
▼A対Iイデオロギー対決◎青野未来vs石川奈青
▼starting over~パッション注入2024◎高橋奈七永vsビクトリア弓月
※大会はレッスルユニバースでも放送
https://www.wrestle-universe.com/ja/lives/wzTsbvrPsfRe8vHzLQUDpS

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