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2019-03-29

ONE Championship日本代表取締役社長秦 アンディ英之インタビュー ONEには日本のスポーツを変える力がある

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伝統が崩れるときは古いしきたりが一人歩きして、 システムが稼働しなくなる。そこに必要なのが新しいアイデア、イノベーションであり、それがONE。

――秦さんに最初に出会ったときには、アメリカンフットボールをプレーしていました。その後、サッカーのワールドカップや様々なスポーツに関わっています。いままで携わってきたスポーツとONEとの共通点、相違点、いろいろあると思うのですが、一番感じているのは、どの部分ですか。

 実は共通点だらけです。トレーニングをして、勝ち抜いていくための過程は、どの競技も基本的には似ていると感じています。特に上を目指せば目指すほど、努力をして、技を磨かなければいけない。考え方はなんら変わらない。サッカーもアメフトも野球も全く同じ。草の根のレベルからプロのレベルの考え方というのも。選手側の立場、指導者側の立場、全く相違点は感じません。そこは一緒です。

 相違点を感じるのは、ビジネス的な視点における日本独特の歴史です。格闘技が一時代、非常に作り上げられてきた歴史は財産であり、伝統です。紆余曲折があって下降気味になった。下降気味になった原因があり、そこがもたらしている重い、暗黒時代というと語弊がありますが、影響が思っている以上に根深いということも感じます。

――武道の精神とビジネスは、相いれないもののようなイメージがあります。その整合性をどのようにとるのか、興味深く感じています。

 ONEはアジアの武道の文化を重んじる団体です。そこからビジネスが成り立っているので、全く違和感ありません。伝えるべき方向ははっきりしています。興行から成り立っている文化と競技性からなりたっている文化がありますが、ONEは後者で興行ではなく、競技性です。純粋に勝った者同士が上を目指していく方向性です。興行ありきではない。その最適な環境を提供して、結果的に興行になる。順序が違うのです。どっちがいいとか悪いというものではなく、興行はストーリーがあって、そこに出てくる役者が最適になる。ストーリーがうまくいけば人が集まる。競技性は、シンプルな共通ルールで戦う人たちが勝ち上がっていく。

 もう1つの違いはグローバル化。競技性は、シンプルなルールで成り立っていますから、グローバル化しやすい。興行は独特の地域性がもたらす要素がありますので、そこからグローバルに共通化するのが難しい。価値観も違いますし、ビジネスも違います。ONEの方向性は、スポーツビジネス⇒グローバル化という流れが、はっきり出ています。

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