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2020-02-19

【プロレス】アイスリボン2・24後楽園でタッグ王座挑戦! 山下りな&ラム会長、エネミーの使命とプライド

アイスリボン2・24後楽園でリボンタッグ王座に挑戦する山下りな(写真右)とラム会長

 女子プロレス団体「アイスリボン」にとって2020年最初の後楽園ホール大会が2月24日(月=祝/午前11時30分開始)に開催される。そのセミファイナルでおこなわれるインターナショナルリボンタッグ選手権試合で異色のチームが、王者・藤本つかさ&つくしのドロップキッカーズに挑戦する。暗黒プロレス組織「666」のシンボル、ラム会長とフリーで活躍する山下りなのエネミー軍だ。

 山下は昨年4月からプロレスでハッピー!を掲げるアイスにレギュラー参戦。白塗りの怪奇派、ラム会長は昨年6月にアイスで女子プロレスデビューを果たした。定期参戦するようになって1年にも満たない2人だが、今やアイスに欠かせぬ存在になった。

 2人にとってもハッピーのリングは思い入れの強い場所。だからこそマンネリ化するトップ戦線の闘いや団体内に向きがちなタイトル戦線などアイスの現状に疑問を抱いてもいた。「アイスリボンが持ってるベルト、私たちエネミーが総取りしてやるからよ」(ラム会長)という言葉から始まったエネミー軍にとって最初のタイトル挑戦でもある2・24後楽園のリボンタッグ戦。アイスリボンの景色を変える第一歩となる大一番に向けて山下&ラム会長に話を聞いた。

“予想外”を起こしたい

山下はフリー、ラム会長は666所属。レスラーとしての出自もスタイルもキャラクターもまるで違う2人だが、意外やバランスのいいタッグチームとなっている

――2・24後楽園でのリボンタッグ挑戦が迫ってきました。エネミー軍結成から1カ月半でのタイトル挑戦となりました。

山下 いいタイミングだし、いい舞台なんじゃないですか。勢いある若手のタッグに勝って、中堅にも勝って。てなったら、次はドロップキッカーズでしょ。ちゃんと実績積んできたから。

――ラム会長はどうですか?

ラム会長 同じだよ。

山下 そういうことだよ!

ラム会長 そういうことなんだよ。

――…どういうことかわかりませんが、ちなみに藤本つかさ&つくしのドロップキッカーズはすでに4度の防衛に成功している実力派タッグです。

山下 藤本つかさ&つくし組はプロレス頭もあるし、技術、体力、すごいバランスがいい、レベルの高いチームだっていうのはちゃんとわかってるんで。アイスにレギュラー参戦させてもらってもうすぐ1年になるしね。個人個人の力は身をもって体感してるし、侮ってもないし。ただ(リボンタッグは)アイスリボンのなかでだけ滞ってるベルトだなって思うから。ウチらが対戦相手になってあげますよって話だよ。

――アイス内のベルト、違う言い方をすれば他団体には響いてないベルトという印象があると?

山下 そうだね。所属が多いからこそ団体内の若手とかが挑戦していくのも面白いと思うんだけど、そろそろ外にベルト見せびらかせにいく時期なんじゃないかな。

――2人ならそれをやれると?

山下 もちろん。だって予想外でしょ、この2人。

ラム会長 私なんて去年(‘19年6月)、女子プロデビューしたばっかりなのに。1年も経たずに挑戦だから。(所属選手は)それでいいの?って。

山下 アイスリボンに他団体っていう形で参戦している我々がベルトを外に持って行ったほうがアイスリボンのベルトの価値自体も上がるんじゃないかなと。

ラム会長 今回のタッグのベルトはりなちゃんとだから臨めるかなと。それは信頼とかが今までの積み重ねで生まれてるので。

――実力的にも頼れる部分があるのでは?

ラム会長 それはあるよね。自分は体が小さいので、そのぶん、りなちゃんが暴れてくれるんで。そういうズル賢さもありつつ、それぐらいりなちゃんのことをパートナーとして信頼してるので。

山下 私は会長のその貪欲さが好きですし、あとお客さんの期待とか支持の多さですよね。この人がベルト取ったらどうなるんだろうっていう期待値。私にできることがあればバックアップしたいし。(ラム会長にとって)女子プロレスの初めてのベルトがアイスリボンのベルトだったらアイスのお客さんも666のお客さんも喜んでくれるんじゃないかなって。いい意味で予想外なことが起きたほうが面白いでしょ?

その場限りの挑戦者はもう要らない

エネミー軍はハッピーのリングを変えられるか

――リボンタッグのベルトはどんなふうに写ってますか?

ラム会長 マンネリ化というか。

山下 ドロップキッカーズ”は強いよ。だけど団体内の、挑戦する時だけのあり合わせタッグはもういいでしょ。我々だったらエネミーっていう形でちゃんと組んでるけど、その場タッグはもう要らない。

――アイスに限らず、昨今のマット界では割とある気がしますけどね、その場限りのタッグチーム。

山下 そう思うよ。あとベルトが多すぎるのかなっていうのもあるし。その時限りの挑戦者なんか、え?っていう。タッグ感がない時もあるじゃないですか。って考えると、ドロップキッカーズはすごいんだよね。ガッシリ芯のあるチームだと思うし、見てて安心する部分もある。

――敵ながらタッグのベルトを持ってるのもうなづけると?

山下 うなづけるよね。そこは十分うなづける。

――そこからどうやってベルトを取るつもりですか?

山下 私は力づくなんだけど、会長の予想だにしない動きとかトリッキーさとか、味方ながら楽しみだなっていうのがあるし。そこをサポートしていきたいなって。

――ラム会長の粘り腰はすごいですよね?

ラム会長 まあね、フフフ。それに藤本つかさって真面目じゃないですか。そこに私たちのちょっとアレな部分がね。

――アレ?

山下 アレなところだよ!

ラム会長 アレなところで惑わしたいなと思いますね。

――ちなみに藤本さんは真面目ですか? そんなこともない気がするんですが…。

ラム会長 真面目でしょ、知らないけど、フフフ。

――一応もう一度伺いますが、おふたりのアレな部分とは?

山下 泥臭さ。きれいに技をするだけじゃないよねって話だよね。技の発表会じゃないんだから。きれいに技を決めるのも確かにすごいよ。でも、そこだけじゃないから。ウチらは技数は少ないかもしれない。だけど、その一つ一つを大事にしてるから。ホントに対照的な闘いになるとは思うけど、そこは楽しみにしてほしいね。

くすぶってる中堅、その場限りの噛ませ犬でいいの?

パワフルな山下、絵面の強いラム会長。エネミー軍はアイスの中堅に疑問を投げかけた

――ベルトを取ったうえで考えていることは何かありますか?

ラム会長 結局、私たちエネミー軍がベルトに挑戦するってことで新しい風を吹かせて、新しい流れを作ってる。乗っ取りとかじゃないけど、コッチとしてはドンドン新しい風を起こして、空気を入れ替えてアイスリボン自体、ドンドンいいものにできたらなと思うし。その反面、アイスリボンのヤツらは現状維持っていうか、そんなのでいいのか?っていう気持ちがある。

――エネミー軍に猛反発するような人もいませんしね。

ラム会長 みんなお利巧だから。

――おふたりがベルトを取ったら動かざるを得ないんでしょうけど…。

ラム会長 奮い立たせるというか、それでいいのかよって。

山下 中堅、若手がもっと進化するキッカケになればなと思うんですよ。目新しいこととか、ほかとは違う奇抜なことをするのもいいし、それはそれでプロレス頭が必要だけど、お客さんが求めていたり、選手自身のためにもなるのは進化だと思うので。そこら辺の刺激にもなればなって思いますよね。

――アイスの中堅にも刺激を与えたいと?

山下 中堅が中堅で落ち着いてるんじゃないの?って。ベルトに絡んだところでその場限りの噛ませ犬になってないか?って、そういうところも問いかけたいし。

ベルトを取らなきゃ始まらない

今回がリボンタッグV5戦と波にノッてる藤本&つくしを山下&ラム会長は止めることができるのか

――くすぶっている所属の中堅がエネミー軍に合流する形もアリなんでしょうか?

山下 所属外じゃなきゃダメってものじゃないし。共通の意思があるから私とラム会長はエネミーとして一緒にやってるだけで。別にその時はその時なんじゃないかな。

――所属・所属外問わずメンバーが増えることも…?

山下 それは知らん。ウチらが試合で魅せて、それに共感を得る選手が声をあげればって感じなんじゃないですか。

ラム会長 別に増やしたいみたいなのはないし。でも、増えるんだったらそれはそれであり。

山下 来るものは拒まず。

ラム会長 所属の選手だと反逆者になるけどね。

山下 一緒に闘いたいっていうのもアリだし、何を勝手なこと言ってくれてんねん!って噛みついてきたらこっちはやってやるし。ただ、中堅が中堅で凝り固まってるんちゃう?っていうのを言ってるだけ。

――エネミー=所属外のお二人がベルトを取ったら他団体にもアピールできる?

山下 私、アイスリボン以外そんな女子団体出てないんだよな。

ラム会長 私も。2人でっていうのもあんまないもんね。でも、自分たちで切り開いて。2人でもそうだけど、個人個人で出るときでもベルト片手に持って行けば。お互い男子(の団体に出ること)も多いから。男子にアイスリボンの名前を売ることもできるし、それはほかのアイスの選手にはできないことだし。

山下 でも、先のことは取ってからだよ。プランとか聞かれても困っちゃうよ。

ラム会長 困るんだよ! 取ってみないとわからない。

――ここまで語っておいて…。逆に言うと、2・24後楽園でリボンタッグを取らないと始まらないわけですね?

山下 そういうことだよ。取らなきゃ始まらないし。何か見せつけたい。ドロップキッカーズだけじゃなくて、所属選手全員に。

――ちなみにこのタッグは役割とかあるんですか? リーダーとか?

山下 会長は会長だよ。

ラム会長 ゆるぎないから。りなちゃんはりなちゃん。

山下 私は私ですよ。

――リーダーとかそんなのは…。

山下 ないない。

ラム会長 そんな面倒くさいことしない。お互いがちゃんと自立してるからできること。

山下 いくら頭で考えたってできることしかないできないから。そん時、できることをお互いサポートし合うのがタッグでしょ。

――そういう意味ではいいタッグに仕上がってると?

山下 でも、いいタッグかどうかはベルトを取れるか取れないか、だね。まぁ楽しみにしといてください。

ラム会長 お楽しみに。

アイスリボン2・24後楽園全対戦カード

アイスリボン後楽園ホール大会のポスター

「RE:BORN」
★2月24日(月=祝)東京・後楽園ホール(11:30)
⑦ICE×∞選手権試合(30分1本勝負)
<王者>雪妃真矢VS藤田あかね<挑戦者>
※第30代王者の3度目の防衛戦
⑥インターナショナルリボンタッグ選手権試合(30分1本勝負)
<王者組>藤本つかさ&つくしVSラム会長&山下りな<挑戦者組>
※第48代王者組の5度目の防衛戦
⑤鈴季すずVS青野未来
※すずはチリンチリン卒業マッチとなる
④トトロさつきVS有田ひめか
③3WAYタッグマッチ(30分1本勝負)
星ハム子&タンク永井VS柊くるみ&田中稔VS世羅りさ&オルカ宇藤
②本間多恵&松屋うのVS尾崎妹加&進垣リナ
①弓李&バニー及川&水波綾VSテクラ&Yappy&朝陽
〔入場料金〕
最前列1万円、特別RS7000円、RS5000円、指定席A4000円、指定席B3000円、レディースシート 3000円 ※当日は各1000円増し。
詳しくはアイスリボン公式サイト(http://iceribbon.com)にて。

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