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2020-04-14

【System of Arthur Lydiard vol.9】リディアード・トレ④コーディネーションレースの全行程を一定ペースで走るために

同じコンセプトを応用

 必要な要素(有酸素能力、無酸素能力、スピード)がすべて鍛えられていれば、レースの距離を走るだけで、タイムはどんどん伸びていきます。それは、体がその距離を効率良く走ることに慣れていくからです。

 マラソンの準備をしている実業団のエリートランナーであれば、30~40㎞を5~8回。これに3カ月ほどをかけて徐々にベストに走れるように持っていきます。

 そこまでできない一般ランナーでも、同じコンセプトを応用すればいいのです。例えば、長いテンポ走(1時間30~45分)を、本番での目標ペースよりも少し遅いペースで走る。「全行程を力強く走れる」ことを目標とし、最後の1カ月半ほどをかけて3~4回実施。またその合間に、短め(30~60分)のテンポ走を目標とするマラソン・ペースで走る。つまり、長く継続して力強く走る練習と、短くてもドンピシャの本番ペースで走る練習を交互に行うことで、本番の全行程を目標ペースで走れるよう仕上げていくのです。

 ちなみに、マラソン日本記録保持者の高岡寿成選手(現・カネボウ監督)のトレーニングの場合、40㎞を2時間15~19分ほどで、20㎞をレースペースと同一の59~61分で、交互に繰り返すというパターンで走っていたといいます。

左からマラソン日本最高記録社の高岡寿成氏、著名なケニヤ人選手たちを指導するイタリア人コーチ、レナト・カノバ氏、著者


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