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2018-12-06

マカオ国際マラソンレポート【1】 こんなに変化に富んだコースはない?!

2018年12月2日、マカオで行われたマカオ国際マラソンのハーフを走ってきた。「マカオ、どこ?」「どうすれば参加できる?」「コースはどうなっているの?」という人もいるだろうから、3回渡ってレース編、渡航編、アフター編をお届けしたい。まずは、レース編だ。

マカオ国際マラソンレポート【2】渡航編はこちら

嘉楽庇総督大橋からマカオ半島を望む。正面に見えるのがグランドリスボア 撮影:ランニングマガジン・クリール

ハーフでももったいなくない!

 今回は日本事務局のスタッフとしての参加だったので、早く走り終えて、フルのランナーを迎えようと、ハーフに参加した。ハーフでありながら見どころがいっぱいで、いままで、「せっかく海外にいくのだから、フルマラソンを走らないともったいない」と思っていたが、その考えを改めざるをえなくなった。

スタート前に集まった日本からの参加者 撮影:マカオ国際マラソン日本事務局

 ハーフマラソンのコースは、マカオスタジアムをスタートしたあと北に向かい、マカオ半島とタイパ島とを結ぶ3本の橋のうち、真中の橋、嘉楽庇総督大橋を北上し、西側の西湾大橋を戻ってくる。

スタートはマカオスタジアム。仮装賞もあるので、仮装ランナーもいる 撮影:ランニングマガジン・クリール

 6時のスタート時はまだ暗い。スタジアムから道路に出た直後、振り返ると大会のメインスポンサーであるギャラクシーホテルが美しく輝いて見えた。

黄金に輝くギャラクシーホテル 撮影:ランニングマガジン・クリール

 嘉楽庇総督大橋に到着するときにはうっすらと明るくなってくる。

嘉楽庇総督大橋は3本の橋で最も古い。2車線の道路をランナーが埋め尽くす 撮影:ランニングマガジン・クリール

 橋の長さは約2.5km。先方にランナーで盛り上がっているように見えるところがある。下を船が通るためだ。橋の上は視界が開けて気持ちいい。前方には、蓮の形をしたグランドリスボアホテルの威容が徐々に大きくなってくる。

嘉楽庇総督大橋から振り返るとタイパ島までランナーの帯が続いていた 撮影:ランニングマガジン・クリール

 橋の坂を上り切ると走りやすい下り坂がマカオ半島に向かって伸びている。しかし、ここでスピードを上げると、後半、脚にくることは間違いないと、慎重に下った。

マカオ、世界遺産の街を走る

 続いて現れるのが世界遺産の街、マカオらしい歴史に彩られた風景だ。南湾湖と西湾湖のほとりを走り抜ける。マカオ半島の南に伸びる孫逸仙大馬路は、折り返しコースになっていて、すれ違いになるので、グループで参加していると楽しい。ツアーの参加者と何度もあいさつできた。

孫逸仙大馬路は折り返しコース。右はマカオタワー 撮影:ランニングマガジン・クリール

 西湾湖の周りには、マカオの街が誕生した頃の建物が並んでいて、コースのハイライトだ。

西湾湖の周りには、歴史的な建造物が多い 撮影:ランニングマガジン・クリール

石畳が歴史を感じさせる 撮影:ランニングマガジン・クリール

 歴史地区を抜けるとコース最大の難所というべき、西湾大橋だ。この上りは正直、きつい。しかし、上り切ったところからの景色が最高! 大きな川のような海を隔てた対岸の中国・珠海市は、発展する中国の勢いそのままに、ビルが林立している。多くのビルが建設中で、毎年走っていれば、珠海の変化を感じられるはずだ。

西湾大橋の上り。徐々に傾斜は緩くなる 撮影:ランニングマガジン・クリール

 振り返るとマカオ半島の歴史地区が一望できる。前を向くと、斜張橋の特徴である堅牢な橋脚とそこから伸びる無数のワイヤーが美しい姿を見せる。この橋の長さは約2km。南側は、またまた気持ちよく入れる下り坂が続いている。

橋脚とワイヤーが美しい 撮影:ランニングマガジン・クリール

 西湾大橋を走り終えてタイパ島に入ると、フルマラソンのランナーと分かれるが、フルマラソンのコースはタイパ島を何度か折り返すので、運が良ければ、フルマラソンのトップランナーとすれ違うこともできる。

この下り坂がきもちよく走れる 撮影:ランニングマガジン・クリール

スタジアムが近づくと沿道が一気に活気づく

 前方にギャラクシーホテルが見えてくるとゴールのマカオスタジアムは近い。わずか2時間ほどでこんなに違うのかと思うほど、周囲の景色が変わっている。

ギャラクシーホテルが見えてくるとスタジアムは近い 撮影:ランニングマガジン・クリール

最後はギャラクシーホテルの前を折り返してスタジアムに向かう 撮影:ランニングマガジン・クリール

 スタジアムの周辺は一気に沿道の人が増えて、大きな声援を送ってくれる。

スタジアムでは、走り終えたランナーが声援を送ってくれる 撮影:ランニングマガジン・クリール

 写真を撮りながらの2時間半の旅。「海外まで来てハーフマラソンはないなあ」と思っていたが、この大会ならハーフで十分に楽しい。なによりめまぐるしく変わる沿道の景色がいい。橋のアップダウンもいいアクセントになっているし、橋の上からの眺めは最高だ。体へのダメージも少ないので、走ったあとに世界遺産を見て回る体力も残っている。

ハーフでも完走メダルはずしりと重い 撮影:ランニングマガジン・クリール

 正直、ハーフでこんなに充実した気分になれるとは思っていなかった。もちろん、フルを走っていないので、比較することはできないが、観光もグルメも満喫したいという欲張りなランナーには、ハーフはおすすめだ。

 次回は、渡航編をお届けする。

仲間を誘って参加するのがおすすめ 撮影:ランニングマガジン・クリール

写真・文:樋口幸也

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