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2025-10-15

東京女子10・18後楽園で“日本の有栖vsアメリカのアリス”。インターナショナル・プリンセス王座挑戦のアリス・クロウリーとは?【週刊プロレス】

前哨戦で勝利したアリス

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東京女子プロレス9・20大田区総合体育館でのビッグマッチでプリシラ・ケリーとの王座決定戦を制しシングル初戴冠、第15代インターナショナル・プリンセス王者となった遠藤有栖の初防衛戦が、10・18東京・後楽園ホールでおこなわれる。インターナショナルのタイトル名通り、対戦相手はアメリカからやってくるアリス・クロウリー。くしくも“Japanese Arisu(日本の有栖)vs American Alice(アメリカのアリス)”という同名対決となるわけだが、初来日となるアリス・クロウリーとは、いったいどんなレスラーなのか?

アリス・クロウリーは、アメリカ・インディアナ州インディアナポリス出身の22歳。三姉妹の次女として育った彼女は14歳のとき、いとこの友人がプロレスラーと聞き、そのいとこに連れられて地元に近いインディー団体WCWO(ワールド・チャンピオンシップ・レスリング・アウトローズ)の試合を観戦した。この体験がきっかけで、プロレスに興味を抱くと、やがて自分もやってみたいとの思いに駆られ複数のインディー団体で練習を積んでいく。それまでにクロスカントリー、陸上、ダイビングなどをやっており、過去のスポーツ経験がプロレスのトレーニング、とくに持久力や飛び技の習得に大いに役立ったとのこと。そして2年間の準備期間の末、2018年10月6日にデビュー。以来、多くの団体で試合をおこない、数々のタイトルも手中におさめてきた。インディー団体ながらも、シングル、タッグを合わせ、その数はトータルで10タイトルにも及ぶ。彼女の話によると、なかでももっとも重要視しているのが昨年4月に獲得、来日前の9月18日まで保持していたJCW(ジャガロー・チャンピオンシップ・レスリング)女子王座だ。11度の防衛のなかにはプリシラ・ケリーや、ロードウォリアーズのマネジャーとしても知られるポール・エラリングの娘、レイチェル・エラリングからの勝利も含まれている。

アメリカのインディーシーンでは実績豊富なアリス・クロウリー。しかし、日本ではまったくの無名と言っていい存在だ。そんな彼女が東京女子の目に留まり、大きな可能性を秘めての初来日。実際、日本のプロレスについての知識はまだ浅いと言わざるを得ないものの、来日前から東京女子の現プリンセス・オブ・プリンセス王者・渡辺未詩に大きなインパクトを得ていたという。全体としても「個人的感想だけど、アメリカンプロレスよりジャパンのプロレスの方がベターだと思う」と好印象だ。

そんな彼女の日本デビュー戦は、10・12東京・新宿FACEで、いきなり遠藤有栖との前哨戦が組まれていた。ここでアリス・クロウリーは中島翔子と組み、遠藤有栖&風城ハル組と対戦。最後はアリス・クロウリーが現在フィニッシュとして多用しているスイングサイドスラムで風城からフォール勝ち。タイトルマッチを控え、王者にプレッシャーを与えることに成功したのである。

アリス・クロウリーのニックネームは「BIG AL(ビッグ・アル)」。アルはアリスの略称で、クロスカントリーの選手時代につけられたもの。飛び抜けて身体が大きいわけではないのだが、チームのなかでは大柄な方で、エース的存在でもあったからなのだろう。レース中に「GO,BIG AL!」のチャントを受けた。それがそのままプロレスでのニックネームになったわけだが、BIG ALは“小さい遠藤有栖”にある意味で衝撃を受けた。「ビックリするくらいに小さかった。こんなに小さい子がチャンピオンなの?」ということだ。

が、だからこそあたってみて、遠藤有栖は一筋縄ではいかない相手と理解できた。

「見た目はスウィートだけど、キラーが正体かもしれないわね。動きが速いし、まわりがよく見えているように感じたわ。こんなに小さな選手とやったことはほとんどないから、むしろ注意しないと」。さらには、「私がBIG ALなら、あの子はTINY AL(ちっこいアル)ね」と笑い飛ばすことも忘れない。なぜなら彼女はデビュー以来、キャリアのほとんどでヒールとして活動しているからである。

過去に日本人と対戦したのは、23年8月、ROHナッシュビル大会における、さくらえみとのシングルマッチのみ。しかも、北米以外での試合は初めてというからこんどのタイトルマッチはビッグチャンスととらえている。

「彼女(遠藤有栖)がチャンスをものにしてチャンピオンになったのなら、私にも絶好の機会がやってきたということよね。このチャンスをいかして、あのベルトをアメリカに持ち帰るわ。確かに言葉の壁でカルチャーギャップも感じるけど、ジャパンについては来日経験のある選手から話を聞いてきた。とくにDDTや大日本にも参戦していたリッキー・シェイン・ペイジは私のトレーナーのひとりで、彼の話はものすごく役に立っているわ。実際にジャパンで試合をしてみて、東京女子の選手はみんなプロフェッショナルと感じたし、団体もよく組織化されているイメージ。だからこそ、このユニークな体験を成功させたい。もっともっといろんな国に出ていく足掛かりにしたいと思っているの」

もしもここでベルトを取れば、サンダー・ロサ、アレックス・ウィンザー、マックス・ジ・インペイラーに次ぐ4人目のインターナショナル・プリンセス王者となる。一度きりの前哨戦で予想するのは困難だが…、10・18後楽園、“Japanese Arisu(日本の有栖)vs American Alice(アメリカのアリス)”を制するのは!?      (新井 宏)

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