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2026-01-04

【アメフト】パナソニックが初のライスボウル連覇 佐伯の3FGとコックスの2INTでオービック下す

創部史上初のライスボウル連覇を決め喜ぶパナソニックのオフェンス選手ら=撮影:北川直樹

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1月3日に東京ドームで行われた第79回ライスボウルは、パナソニックインパルスが9−7でオービックシーガルズを下し、2年連続通算6度目の日本一を決めた。パナソニックはタッチダウンを奪えなかったものの、K佐伯眞太郎(16)が42yd、49yd、28ydと3本のフィールドゴールを決めて9点を積み上げ、守備陣はDBジョシュア・コックス(23)のインターセプト2本で要所を締めた。

総獲得ヤードはオービック348ydに対しパナソニック250ydと劣ったが、攻撃時間33分14秒を確保し、ターンオーバーで競り勝った。MVPはパナソニックのコックスが受賞。2本のインターセプトで66ydのリターン、特に残り40秒の2本目のINTで勝利を決定づけた。パナソニックは守備とキッキングゲームで粘り勝ちを収め、1974年の創部以来初のライスボウル連覇となった。【北川直樹】

パナソニックインパルス ○9−7● オービックシーガルズ(東京ドーム、来場者数20,214人)

第1QパナソニックがK佐伯のFGで先制

ライスボウルは、息詰まるロースコアゲームとなった。

パナソニックは最初の攻撃で自陣16ydから、QB荒木優也(12)がWR桑田理介(18)へのパスを通して1stダウンを獲得するも、続くパスが決まらずパントへ。

オービックは自陣3ydから攻撃を開始。RB長尾涼平(21)のラン、TE ホールデン・ハフ(85)へのパスで1stダウンを更新するも、攻撃が停滞してパントに終わる。

パナソニックは敵陣47ydからの好位置で攻撃。RB立川玄明(42)のラン、QB荒木からWR桑田へのパスで敵陣30ydに攻め込むと、第1Q7分34秒、K佐伯眞太郎(16)が42yd FGを成功させ3−0と先制した。

その後、オービックはQBピアース・ホリー(3)からWR佐久間優毅(81)、WR山中隆哉(83)へのパスで前進を図るが得点には至らず、第1Qは3−0のままパナソニックリードで終了した。

 パナソニックK佐伯眞太郎はパナソニックの全得点を上げた=撮影:北川直樹
パナソニックK佐伯眞太郎はパナソニックの全得点を上げた=撮影:北川直樹

第2Qオービックが61yd TDパスで逆転

パナソニックは自陣23ydからQB荒木のスクランブルで1stダウンを更新、RBミッチェル ビクタージャモー(5)のランなどで敵陣に侵入。しかし攻めきれず、51yd FGトライは失敗に終わる。

ここで流れが変わる。オービックは敵陣34ydから、QBピアースがWR渡邊ジャマール(18)へ14ydパスを通したが、次のプレーでオービックに反則があり15yd罰退。1本パスを決めた後のセカンドダウン19ヤードから、QBピアースがWR佐久間へ61ydのTDパスを通し、PATも成功。第2Q8分10秒、オービックが7−3と逆転した。このドライブはわずか3プレーで66yd、1分45秒で完結した。

パナソニックは前半終盤、RB小泉誠実(19)の15ydラン、WRブレナン翼(14)への14ydパス、WR小倉豪(81)への18ydパスなどで敵陣18ydまで進む。しかしスペシャルプレー失敗の後、35yd FGトライも外し、3-7のビハインドのまま前半を終える。

 オービックWR佐久間優毅は抜群のスピードで61ydTDを奪取=撮影:北川直樹
オービックWR佐久間優毅は抜群のスピードで61ydTDを奪取=撮影:北川直樹

第3QパナソニックがFG2本で1点差に
コックスのINTで流れを引き寄せる

後半、パナソニックはWR桑田のパントリターンで敵陣38ydから攻撃を始めるが、3連続パス失敗で3&outに終わる。オービックも自陣3ydから攻撃が進まず、パナソニックはWR山下宗馬(83)のパントリターンで再び敵陣37ydから攻撃を開始。第3Q5分30秒、K佐伯が49yd FGを成功させ、6−7の1点差に詰め寄った。

そして、試合最大のターニングポイントが訪れる。オービックは自陣からパスを中心に前進。WR渡邊への17ydパス、TEハフ、WR山中へのパスなどでパナソニック陣深くまで攻め込んだ。しかし、QBピアースがTDを狙ったパスをDBコックスがインターセプト。第3Q残り2分24秒でパナソニックにボールが渡り、オービックは好機が潰えた。

パナソニックはこの直後、WRブレナンへのパス、RB小泉のランで前進。RBジャモーへのパスで敵陣30ydまで進み、第4Qへ勝負をつないだ。

 パナソニックRBミッチェル ビクタージャモーは走り、パスをキャッチし攻撃を支えた=撮影:北川直樹
パナソニックRBミッチェル ビクタージャモーは走り、パスをキャッチし攻撃を支えた=撮影:北川直樹

第4Q佐伯の3本目のFGで逆転 
コックスの2本目のINTで決着


第4Q冒頭、パナソニックは敵陣31ydから、RBジャモーのラン、WR桑田のリバースなどで前進。4th&1から3分20秒、K佐伯が28yd FGを成功させ、9−7とついに逆転した。このドライブは10プレー69ydを獲得、時間にして5分44秒を消費し、攻撃時間面でもオービックに対して優位に立つ流れを作った。

オービックは自陣14ydから反撃。WR佐久間、TEハフへのパスで前進し、パナソニック陣25ydから49yd FGを狙う。しかし、FGトライは失敗に終わった。

パナソニックは自陣32ydから攻撃するも前進できずパント。オービックは残り1分53秒、自陣4ydからラストドライブを開始した。QBピアースの8ydラン、WR成田将吾(82)への28ydパス、WR佐久間への12ydパスで前進し、パナソニック陣38ydまで到達する。

しかし2nd&6で投じたピアースのパスを、DBコックスが再びインターセプト。コックスはこれを66ydリターンし、残り時間40秒で敵陣ゴール前2ydという決定的なフィールドポジションをもたらした。パナソニックは2プレーで時間を消費し、9−7で試合を締めくくった。

ライスボウルが日本選手権として行われるようになった第37回(1984年)大会以降で、FGのみのスコアリングチームが勝利するのは、初めてのことだった。

 2本目のINTを決めて勝負を決定づけたパナソニックDBコックス。背後から猛烈に追いすがるオービックWR佐久間にタックルされてTDはならず=撮影:北川直樹
2本目のINTを決めて勝負を決定づけたパナソニックDBコックス。背後から猛烈に追いすがるオービックWR佐久間にタックルされてTDはならず=撮影:北川直樹

パナソニックは総獲得距離で下回るも、
佐伯とコックスを中心とした粘り勝ち


パナソニックは総獲得ヤード250yd(ラン124yd、パス126yd)と、オービックの348yd(ラン44yd、パス304yd)を下回った。しかし、攻撃時間は33分14秒を消費し、1stダウン更新13回(ラン6、パス6、反則1)、3rdダウンコンバージョン4/15(27%)と着実に前進した。FGは5トライ中3本を成功させた。

MVP受賞のDBコックスは、2INT 66ydリターンと決定的な働きを演じた。特に第3Qのパナソニック陣21ydでのインターセプトと、第4Q残り40秒のインターセプト66ydリターンは、どちらに転ぶかわからなかった試合の流れを、完全にパナソニック側に引き寄せるものだった。

QB荒木は26投15成功126yd、インターセプトなし。WR桑田が5レシーブ46yd、RBジャモーが3レシーブ33ydと、ショートパスで確実にゲインを重ねた。ラン攻撃ではRBジャモーが13回51yd、RB小泉が3回31ydを記録。守備面では、DL太田が1サック7ydロスを記録し、要所でプレッシャーをかけた。

 2本目のINTを決めて勝負を決定づけたパナソニックDBコックス。背後から猛烈に追いすがるオービックWR佐久間にタックルされてTDはならず=撮影:北川直樹
パナソニックWR桑田理介はWR、リターナーで好ポジション確保に貢献した=撮影:北川直樹

一方のオービックは総獲得ヤード348yd(ラン44yd、パス304yd)とパス攻撃で前進を続けた。QBピアースは46投26成功304yd 1TD 2INT。WR佐久間が8レシーブ123yd 1TDとエースターゲットとなり、TEハフが5レシーブ52yd、WR成田が2レシーブ47ydを記録。1stダウン更新16回(ラン3、パス13)と、パス主体の攻撃を展開した。

しかし3rdダウンコンバージョンは6/15(40%)にとどまり、勝負どころで発生した2本のインターセプトが致命傷となった。反則はパナソニック2回10yd、オービック7回64ydと、オービックは反則が攻撃を後退させる場面が目立った。

オービックは得点はTDが1本にとどまり、勝負をかけたFGも失敗と、厳しいゲームを強いられた。

 オービックDLトゥロター ショーン礼らがプレッシャーを掛けてパナソニックQB荒木を苦しめた=撮影:北川直樹
オービックDLトゥロター ショーン礼らがプレッシャーを掛けてパナソニックQB荒木を苦しめた=撮影:北川直樹

パナソニック 高山直也ヘッドコーチのコメント

勝利、連覇の嬉しさはもちろんありますが、それ以上に、ここまで積み上げてきたものへの思いが強いです。このチームは長い歴史の中で、本当に多くの方が関わり、支えてきてくださいました。OBの皆さん、ファンの皆さん、関係者の方々が積み重ねてきたものの上に、今の自分たちがあると思っています。

この試合は、ボールバトルで勝てたと思っています。そこは大きかった部分です。ただ、すべてがうまくいった試合ではありませんし、細かいところでは課題もありました。最後にどう勝ち切るか、というところが問われた試合でした。

終盤の相手の攻撃で、相手がエンドゾーンを狙ってくる状況だという認識はありました。もしそこでやられていたら、試合はかなり厳しかったと思います。ただ、最終的にはディフェンスを信頼していましたし、その判断が結果につながったと思っています。

あの場面については、どこを狙ってくるかという読みはありましたし、ディフェンスがしっかり反応してくれました。相手の意図を理解したうえで、プレーできたと思います。

  パナソニックディフェンスは、距離を稼がれても勝負どころを抑えて得点を最小限にとどめた=撮影:北川直樹
パナソニックディフェンスは、距離を稼がれても勝負どころを抑えて得点を最小限にとどめた=撮影:北川直樹

特定の誰かに頼る形ではなく、全体のレベルを高くすることを大事にしています。そのためには、試合の中で選手にトライさせることが重要です。スタメンだけでなく、出番の限られる選手も含めて実際にフィールドに立たせ、経験を積ませる。その積み重ねが、終盤の場面で生きてきたと思います。

コックスについても、特別なことをやらせているわけではありません。試合の中でトライさせてきた結果が、ああいうプレーにつながったと思っています。

スタープレイヤーが必要ないわけではありませんが、最後に勝つために本当に大事なのは人格だと思っています。人としてどうあるか、その部分はこれまでずっと大切にしてきましたし、これからも変わりません。

昨季、前任の荒木(延祥、現・早稲田大HC)監督からチームを引き継ぎ、何かを大きく変えたつもりはありません。ただ、自分自身の感覚としては、以前よりも少し「隙」があるチームになっているのではないか、とは思っています。そのほうが選手にとってはやりやすい部分もあるでしょうし、自分はそういう形を良しとしてやっています。

QBの荒木は、今日は悔しい気持ちがあったと思います。思うように仕事ができなかった、という反省もあるはずです。ただ、それだけ相手が良かったという面もありますし、この経験を次につなげてくれればと思っています。

 HC就任2年目を終え、2連覇を達成した。チームの応援団長も3年間務めた経歴を持つ高山直也HCは何よりも人格を大事にしてきたと語った=撮影:北川直樹
HC就任2年目を終え、2連覇を達成した。チームの応援団長も3年間務めた経歴を持つ高山直也HCは何よりも人格を大事にしてきたと語った=撮影:北川直樹

オービック WR佐久間優毅のコメント

試合の中では、自分たちが普段から使っている10ydフック、そこからのGoの形はある程度機能していたと思いますし、その流れの中で裏をつく形でTDも取ることができました。フラットや浅いゾーンは、試合を通してある程度通せていました。

ただ、後半はどうしても縦を狙わないといけない展開になりましたし、パナソニックもそれを分かった上で、後ろを厚く守ってきていました。だからこそ、ワンチャンスで後ろを決め切らないといけない、という状況でした。

終盤のインターセプトになったプレーは、エンドゾーンを狙った縦のプレーでした。あの場面については、別の選択肢があったのかどうかも含めて、あとから考えるところはあります。ただ、相手の反応は本当に速くて、しっかり対策されていたんだろうなと感じました。

試合中は「もっと自分にボールを投げてほしい」と思いながらプレーしていました。ただ、WRユニットとして見ると、今日はボールドロップも多かったですし、自分がTDを1本取ったからといって、ユニットとして良かったとは思っていません。

この試合で終わりではありません。来季というより、もう数か月後には次のシーズンが始まりますし、準備もすぐに始まります。もっと成長して、もっと大きな選手になって、またこの舞台に戻ってきたいと思います。

 試合唯一のTDをレシーブを決めたオービックWR佐久間優毅=撮影:北川直樹
試合唯一のTDをレシーブを決めたオービックWR佐久間優毅=撮影:北川直樹

勝利を決めて喜ぶパナソニックの選手たち=撮影:北川直樹
勝利を決めて喜ぶパナソニックの選手たち=撮影:北川直樹

 チームの危機を救う2INTでMVPに選ばれたパナソニックDBジョシュア・コックス=撮影:北川直樹
チームの危機を救う2INTでMVPに選ばれたパナソニックDBジョシュア・コックス=撮影:北川直樹

  試合後チャンピオンキャップをかぶり笑顔を見せるパナソニックK佐伯眞太郎=撮影:北川直樹
試合後チャンピオンキャップをかぶり笑顔を見せるパナソニックK佐伯眞太郎=撮影:北川直樹

 胴上げで舞うパナソニック主将・青根奨太=撮影:北川直樹
胴上げで舞うパナソニック主将・青根奨太=撮影:北川直樹

 パナソニックは1974年の創部以来初の日本選手権2連覇を果たした=撮影:北川直樹
パナソニックは1974年の創部以来初の日本選手権2連覇を果たした=撮影:北川直樹

 トロフィーを掲げるパナソニックの幹部ら=撮影:北川直樹
トロフィーを掲げるパナソニックの幹部ら=撮影:北川直樹

北川直樹

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