close

2026-03-17

【相撲編集部が選ぶ春場所10日目の一番】「当たれる霧島」が、苦手の隆の勝戦を突破し1敗堅持。あす豪ノ山との対決へ

立ち合いで当たり勝ち、苦手の隆の勝を余裕を持った引き落としで降した霧島。あすはいよいよ1敗同士の豪ノ山との対戦だ

全ての画像を見る
霧島(引き落とし)隆の勝

きのうに続いて、余裕のある引き技で、力のある突き押し相撲の相手を破った。きのうまでの「1敗3人衆」の中で番付最上位の霧島が、しっかりと1敗キープだ。
 
きのうまで1敗の、霧島、琴勝峰、豪ノ山の3人。まだ10日目なので、場所の興味を終盤につなげる意味でも、星を落とさずいきたいところだが、実はこの日は3人とも、過去の対戦成績でリードされている相手との対戦。朝紅龍に0対1の豪ノ山はともかくとして、対戦成績1対7の正代を迎える琴勝峰、5対14の隆の勝を迎える霧島には、ある意味で関門が用意された日となっていた。
 
まず豪ノ山は、いったん攻めてから引く相撲となったが、叩き込んで1敗を堅持。しかし琴勝峰は、立ち合いは攻め込んだように見えたが正代に掬うように入られ、最後は左差し手を突きつけるように寄り倒されて、2敗に後退した。
 
そして霧島。この一年の隆の勝戦は、張ってつかまえにいって果たせず、昨年の3月、9月と敗れた後、11月は一方的に突き出されて3連敗、先場所は突き立てられたが一度イナし、突き返す形で連敗を止めている。
 
注目の立ち合い。この場所の霧島は、頭を下げ、手は下から相手の腕の動きをガチッと止めにいくような形で当たった。「とにかく強く当たることしか考えませんでした」と霧島。ここがすでに、首を痛めた影響か、張って捕まえにいく形だった1年前とは違っていた。
 
そこから左ハズでの押し。霧島が立ち合いで攻め勝つと、たまらず隆の勝は一度イナしてから逆襲してきたが、霧島は余裕十分、やや相手の体がのび加減なのを感じたか、すかさず引き落とした。

「勝ちたい気持ちが強すぎたのか、上体だけでいってしまった。(圧力が伝わらなかったか?)そうですね。敗因はそこだと思います」とは、敗れた隆の勝だ。
 
最後は引き技だったが、これは立ち合い勝ちが呼んだもの。そういう当たりができるようになったということは、霧島、やはりだんだんと故障前の本来の姿に戻ってきたということが言えるだろう。
 
あすはいよいよ、1敗同士で豪ノ山と対戦。勝ったほうが優勝争いの単独トップに躍り出る一番となる。過去の対戦成績は4勝4敗なので、番付では霧島が格上とはいえ、互角に近い勝負とみるのが妥当だろう。
 
霧島にとっては、今場所強烈な立ち合いの当たりを見せる豪ノ山に負けないだけの当たりができるか、そして豪ノ山は、霧島の横への動きやイナシを恐れずにぶつかっていけるか、というところが勝負の分かれ目になってくるだろう。
 
横綱豊昇龍も、この日は若元春に圧勝して1差にピタリ。一時はたくさん前を走っていた優勝争いの相手がだんだんと絞られてきたが、あすの1敗対決でどちらかが一歩後退し、さらに相手が絞らることになるので、このまま1差でついていければ、逆転での横綱昇進後初優勝へ、さらに闘志がわき立ってくることは間違いない。
 
果たして豊昇龍の前を行くトップ走者は、復帰を目指す元大関になるのか、それとも馬力復活のご当所力士になるのか。まずはあすの1敗対決に注目だ。

文=藤本泰祐

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事