慶応大のキャプテン・瀬戸西純。大学2年時から正遊撃手を務める守備のスペシャリストに、技術力を高めるためのポイント、そして1人でもできるおすすめの守備練習法を聞いた。
写真◎ベースボール・マガジン社
瀬戸西純が中学時代に所属していたのは強豪の中本牧リトルシニア。中学生年代ならば、野球の楽しみと言えばバッティングだという選手が多い中、瀬戸西は守備に魅力を感じていた。
「僕はバッティングに対してすごく苦手意識があるタイプでした。でも、1学年上の二塁手の先輩がハンドリングなどがうまくて、その先輩を見て野球をやる中での楽しさを見つけられたというか、『かっこいいな、こういうプレーができるようになりたいな』と思えるようになったんです」
それからはその先輩を手本とし、構えや動きなどを間近で見ながらマネをしてきた。そうして守備力を身に付け、3年時には二塁手のレギュラーとなった。
高校に入ってから遊撃手へと転向したが、守備の基本は中学時代に構築されたものだ。
例えば、今でも守備面での感覚にズレが生じたときは、カベ当てやバウンドでのキャッチボールといった中学時代から行ってきた基礎練習に立ち返るという。
特に5メートルほどの距離で、ワンバウンドやハーフバウンドを投げ合うキャッチボールは、ハンドリングの練習として中学時代の先輩に教わったものだ。
自分自身のスタイルも、中学時代の先輩の「マネ」をベースとしてつくり上げていった。
「中学時代はただ先輩のマネをしていただけだったんですけど、高校に入ってからはその先輩のプレーを思い出しながら『何でああいう風にしていたのだろう』といったように少しずつ感覚でなく論理的に考えられるようになっていきました。そうすることで自分の方法が構築できていったと思います」
現在は理想とする西武・源田壮亮のプレーをマネしてみることもあるというが、そこから自身の感覚と照らし合わせて良いところを取り入れたり、改良してみたりすることで技術力は上がり、プレーの幅も広がっていく。
瀬戸西のような守備のスペシャリストを目指す選手は、まずしっかりと観察して挑戦してみることから始め、そこから自分の形を追求してみてはいかがだろうか。
カベ当て
今でも感覚を確かめるために行っているというカベ当て。一見地味な練習に感じるが、ボールを投げる距離、強さ、角度などを変えることで、バウンドの異なるさまざまな球筋のボールの捕球練習ができ、スローイングの練習にもつながる。正しい姿勢で捕ったり、ギリギリのタイミングで捕球したりと工夫して行おう。
さらに、カベ当てで瀬戸西選手が現在意識しているのが送球。捕って投げなければアウトにはならないので、ネットなどがあれば送球方向に置き、一連の流れで練習に取り組んでみよう。
PLOFILE
せとにし・じゅん/1998年8月24日生まれ。神奈川県出身。177㎝77㎏。右投左打。金沢イーグルス-中本牧リトルシニア-慶応高-慶応大。高校では3年春に神奈川大会ベスト4、夏は同準優勝。大学では2年春からレギュラーとなり、2年春、3年秋にリーグ優勝を経験。4年時に主将に就任した。
文責◎ベースボール・クリニック編集部
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