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2026-04-23

「物事を形にするのは自分の中でポジティブな発想を持てるか」GLEAT G-CLASS2026出場選手に訊く①田村ハヤト

圧倒的な肉体とパワーを持つ田村

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5月13日より開幕するGLEATのシングルトーナメント「G-CLASS 2026」。昨年に続く第2回は、厳選された8名のエントリー選手によって争われる。そこで出場全選手に意気込みを訊くインタビューを順次お届けする。第1回は、4月29日に地元・群馬での凱旋興行も控える田村ハヤトが登場。長期欠場から復帰し、5ヵ月が経過した現在の心中を語った。(聞き手・鈴木健.txt)

――ハヤト選手は昨年の「G-CLASS」開催時は欠場中でしたので、今回が初エントリーとなります。

田村 シングルのトーナメントとしては、2022年のG-REX初代王者決定トーナメントには出ていて、準優勝だったんですよね(エル・リンダマンに敗れる)。だから、その先を目指すという意味でもトーナメントといったら僕じゃないですか。トーナメント大好き、一発勝負に強い男なんで。

――甲子園でそれを証明しているので、説得力があります。

田村 そういう意味では、トーナメント歴の長い人間なんですよ。もちろんタイトルマッチとは違うものですけど、ちっちゃい頃から何事にも一番になりたい性格ですから優勝することが自分の目的意識を満たしますし、おそらくこれで優勝すれば7月1日(5周年記念大会)に挑戦ですよね?

――正式には決まっていないですが、時期的にはそうなるでしょうね。

田村 だから僕の中では優勝したあとのプランも描けていますし、何よりも1回戦がTさん(T-Hawk)っていうのがね。過去のシングルマッチはユニットも違ってずっとやり合う関係にあったのが、今回はまったく違うシチュエーションじゃないですか。でもやりづらさはまったくないです。組んでいても、1対1で闘うとなれば最大限のリスペクトを持ちつつ、全力で叩き潰し合えると思っているので。

――過去3度シングルで対戦し、戦績はT-Hawk選手の2勝1敗ですが、一番近い一騎打ち(2023年12月30日、TDCホール)ではハヤト選手が勝ってG-REX王座を奪取しています。

田村 組んでみて見えたのが、あふれるエナジーですよね。僕がG-REXのチャンピオンになった時に欠けていたものを、今のTさんが体全体から放っている。それを僕が一番の至近距離から浴びている感じです。本来の僕は、同じようにエネルギッシュな人間なんですけど、ベルトを持っていた時はチャンピオンとしてどうあるべきかということですごく悩んでいて、本来の自分が出せなかった気がするんです。でも、復帰してTさんと組むようになってから、本来の自分を取り戻せた。

――T-Hawk選手のノリに乗せられている?

田村 引き出されていますね。それによって逆にTさんからも引き出せていると思うし。僕は子どもの頃から、野球をやっていて声を出すのが習慣になっているんです。出さないと怒られていましたから。だから今のノリが懐かしい感覚ですよね。あれってメチャクチャ疲れるんですよ。これもTさんと組み始めて気づいたことなんですけど、リングの中で闘っている間よりもコーナーで控えている時の方が疲れるんです。

――本来、スタミナを回復させるはずのコーナーなのにむしろ消耗していると。

田村 いやあ、参りました。でも、必要以上に声を出すことによってお客さんにも元気が伝わるじゃないですか。この声で、少しでもお客さんが元気になってくれればと思うと、苦にならないし、半分ノリでいっていますよ。お互いの声が被る時もしょっちゅうだし。でも、なんとなく言わんとしていることは理解できるし、ここまで組んで噛み合うとは正直、思っていなかったので。本当にたまたま一回組んでみたら、観客や周りの反応がけっこうよかったんです。それで、じゃあこのままいこうかと。

――長期欠場明けの昨年12・4新宿FACEで初めて組んで、次の大会ではもう空位だったG-INFINITY王座決定トーナメントにエントリーされていました。

田村 そう、だから組み始めてまだそんなにやっていないんですよね。それが年明けにG-INFINITYへ挑戦したじゃないですか(1・20新宿)。あれも獲れなかったけど試合をやっていて今まで体験していないほどしっくりと来たんです。やっぱり、うまくいくと楽しくなるものなんですよね。当時(高校時代)の先輩を思い出します。ああいうTさんみたいな先輩が実際にいたんですよ。だから誤爆して張られるたびにその先輩の顔が浮かんでくる。

――入場時のポーズで、ハヤト選手がキャッチングスタイルでT-Hawk選手がバッターボックスに立つじゃないですか。高校時代にキャッチャーだったのはT-Hawk選手の方ですよね。

田村 そうなんですよ! なんでなのか僕も聞いたら「ヒザが痛いから座って」って言われました。俺も腰いてえんだけどなと思いながら、座っていますけど(苦笑)。正直、野球の色がここまでプロレスで出せるとは思っていなかったし、相手をロープに振って、二人でバットのスイングをするという合体プレーもやってみたり。これは相当なエナジーが放出される試合になるでしょう。

――お客さんは耳栓を用意した方がいいかもしれません。

田村 そこもお互い遠慮はしないですから。声出しも張り合っちゃうんでしょうね。その上でバッチバチにやり合う。おそらく1回戦4試合で一番お客さんも一緒にノレる試合になると思います。僕自身も過去の3回とはまったく違うものになるという予感がします。だから、二人の闘いの進化している部分も見せられると思っています。

――そうした熱い闘い間違いなしの1回戦を勝ち進んだあとが、河上隆一かブラスナックルJUNというのも、ガラリと感覚が変わります。

田村 僕はまだ今のブラスナックルJUNとほとんどやっていないんで、シングルでやったらどうなるのかっていうのはあるんですけど、ここは河上さんとやりたいです。BULK ORCHESTRAの時はずっと組んでいたし、やり合うこともあったけどヘビー級の闘いを見せられる相手なんで、久しぶりに“シャーマン”ではない河上隆一と肌を合わせたい。

――シャーマンではなくなった河上隆一はどう映っていますか。

田村 なんか、何をやっても許される存在になりましたよね。正直、ほぼ空回りじゃないですか。だけど、それでもOKみたいなキャラクターになっている。でも僕とシングルでやる時は怖い一面を見せてほしい。今の明るいキャラクターはもちろんいいと思うんですけど、僕とやるなら誰もそれは求めていないと思うんで。その上で僕は、河上隆一の本気の本気を全部受け止めるつもりでいる。120%の河上隆一でぶつかってきてもわらないと、やる意味がないでしょう。今のノリで来るぐらいならブラスナックルJUNとやった方がまだいい。

――別ブロックの4人に関しては、どうでしょう。

田村 僕は石田凱士が来ると思います。これは願望込みでもあるんですけど、今のこのタイミングでやってみたい気がして。実を言うと、まだシングルマッチで一度もやっていないんですよね。初のシングルマッチがトーナメントの決勝戦というのもシチュエーション的にいいし、やっぱりGLEATの未来を見せるのはこのカードだろって。リンダマンとは、トーナメントに優勝すればさっきも言ったように7月1日にベルトを懸けてやるようになるでしょうから、その前に石田とバチバチの闘いをやっておきたいです。

――長期欠場から復帰して5ヵ月が経ちますが、復調具合はどうでしょう。

田村 これがね、絶好調なんですよ。5ヵ月でトーナメントに優勝して5周年のメインまでいけるという感触が持てるほどになっています。約1年休んで、遅れた分を早く取り戻したかったので休んでいる間もやれることはしっかりやっていたし、復帰のタイミングもこれなら今すぐ100%出せるところまで戻ったという確信があった上だったので、復帰戦の時点でフルに動けていました。

――確かに復帰後、ブランクはまったく感じさせていないです。

田村 だから、復帰明けでTさんと組んだのもいいタイミングだったんだと思います。組むべくして、こうなったんだなって。僕の中に、GLEATって明るさが大事だっていうのがあるんです。正直、去年は明るいニュースがあまりなかったじゃないですか。休んでいる間にネットで情報を見ていてもネガティブなニュースしか伝わってこなかった。だから自分がリングに戻ったらとことん明るくしてやると思っていました。明るく、元気に、わかりやすくて伝わりやすいプロレスを見せていきたい。Tさんと組むことで、今はそれができていると思うんですよね。

――まあ、わかりやすいですよね。

田村 僕がお客さんの立場で見ても、今のGLEATは見やすいと映っている。なので、これを継続すれば少しずつかもしれないけど確実にお客さんは増えていくと思っています。

――そんな中、4月29日にはGメッセ群馬で地元凱旋興行があります。

田村 プロレスラーになって7年目にして、初めて群馬県でプロレスの試合ができます。前の団体の代表(JUST TAP OUT・TAKAみちのく)にはやろうって言われていたんですけど、やらないままやめちゃったんで。でも、自分で営業回りをやってみて想像以上に大変だと感じました。僕はお世話になった方に対しLINEとかじゃなく直接お会いしているんです。見に来てほしいと思ったら、ポスターを送りつけて貼ってもらって終わりじゃなく、まずはお願いをしにいっています。けっこう回りまくっていて。でもその結果、野球部の監督やコーチ、現役の生徒たち野球部全員で来てくれるんです。

――前橋育英高校野球部が全員で応援に!

田村 やっぱり、お世話になった恩師や今の高校生にプロレスラーとしてやっている姿を見せたいので。監督さんから「みんな連れていくから」と言われた時は嬉しかったですよね。地元の企業さんの理解を得られたのもありがたいとともに、地元出身者としてはステータスじゃないですか。初めて生で見る方やそこまでプロレスに詳しくない方も多いと思うので、この大会をプロレスへの入り口にしてもらいたいです。

――それにしても、全国優勝を果たした地元の高校球児が、十数年経ったらプロレスラーになって帰ってきてその姿を披露するというのもいい話だなと思います。

田村 当時を知っている人は、僕の姿が変わりすぎちゃっているからビックリするでしょうね、溜めに溜めた分。今のところ、次にやるとしたらちょっと間を空けたいとは思っているんです。それほど今回、やってみて大変だったので。でも、初めて見に来た方に「来年もまた見に来たいです」って言われたら、僕は単純なので「やろう!」ってなっちゃうと思うんです。

――そういった単純さがモチベーションにもなる?

田村 僕はけっこう先のヴィジョンを見据えて動くタイプなんで、こういう環境が続けばポジティブな方に向かっていけると思うんですよね。物事を形にするのって、自分の中でポジティブな発想ができるかどうかだと思っていて。高校の時も、3年の夏に甲子園へ出てホームランを打つというのを頭の中で描いていました。だから、あの場へ立った時はホームランしか狙わなかった。その経験によって、僕はいい未来を想像しておけばそこにたどり着くんだって信じられるようになったんです。

――そのいい未来は、GLEATに関してはどんなものを描いていますか。

田村 僕の中に浮かぶのはどの会場もパンパンに埋まって、もっともっと歓声や声援が飛ぶ空間ですね。今もいただけるのはありがたいですけど、その量が増えるほど僕のパフォーマンスも上がりますから。あとは、自分がチャンピオンベルトを巻くことでお客さんの数が増えて会社が潤って、GLEATを広めていく。それを頭の中で想像しています。ベルトを持つ意味っていうんですかね、それは自分の強さを証明するのと同時に、持った人間が背負うべき役割も付随してくるものじゃないですか。今よりもお客さんを増やして、歓声を増やすという望むべきことを、ほかの誰かじゃなく自分の手で形にしたいですね。

BBM

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