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2026-05-23

【相撲編集部が選ぶ夏場所14日目の一番】霧島が3敗目! V争いは大混戦、最大6人による決定戦の可能性も

霧島は伯乃富士を攻めきれず、投げについてこられて寄り倒され、また若隆景に追いつかれる3敗目。4敗力士にも可能性が残り、優勝争いは大混戦に

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伯乃富士(寄り倒し)霧島

いやはや、ややこしいことになってきた。
 
きのうまで、ただ一人2敗で優勝戦線の先頭に立っていた霧島が、結びの一番で伯乃富士に寄り倒されて3敗目。この日、3敗対決で琴栄峰を一蹴した若隆景に並ばれたばかりか、4敗の5人にも、千秋楽まで優勝の可能性が残ることになったのだ。
 
ちなみに4敗の5人の顔触れは、この日、藤凌駕に敗れて後退した義ノ富士、若隆景に敗れて後退した琴栄峰、この日霧島を破った伯乃富士、藤ノ川を破って4敗を守った宇良、義ノ富士を倒した藤凌駕の5人だ。
 
まずは、この日敗れた霧島の相撲を振り返ってみよう。優勝を目前にしたここへきての敗戦は、意外な面もあるが、実は伯乃富士は、霧島にとってあまり得意な相手ではないという側面もあった。この1年の対戦成績は3勝2敗、内容的にも攻め込まれてしのぐ、という展開が多かったのだ。
 
ただ、今場所は霧島が先に攻める展開になった。右カチ上げから左四つに組むと、先に右上手をつかんで寄った。土俵際まで追い詰めたが、伯乃富士に右足一本で踏ん張られて決めきれず。伯乃富士は左からの掬い投げで揺さぶって右を巻き替え、浅いモロ差しになった。霧島は頭をつけるが、廻しが一枚で伸びてしまってあまり効かない。
 
これで霧島は少しじれたか、左からの下手投げにいくが、ここで右の廻しを放して左に回ったところをついてこられ、一気に攻められてしまった。最後は押し倒して伯乃富士が殊勲の星を挙げた。
 
土俵際で残したことには、「どういう体勢になっても力を抜かない、ということを稽古場で言われているので、それが生きた」と伯乃富士。霧島としては、明確な敗因は探しにくい負けだが、強いて言えば、寄ったところで攻め切れなかったところと、投げで勝負にいって、右の廻しを放してしまったあたりだろうか。若隆景と対戦した11日目あたりは、辛抱して体勢を作ってから攻める、という感じがあったが、終盤にきて投げで簡単に勝負をつけにいくケースが増えているのはちょっと気になるところだ。
 
注目の千秋楽の割は、霧島-熱海富士の割が崩され、霧島は宇良、そして若隆景は藤凌駕と、3敗力士は4敗力士の挑戦を受けることになった。ほかの4敗力士は、義ノ富士と琴栄峰が4敗同士で対戦、もう一人の4敗力士の伯乃富士は、7勝7敗の藤青雲との対戦が決まった。
 
この結果、霧島と若隆景のいずれかが勝っていずれかが敗れれば、勝ったほうの力士の優勝、2人とも勝てば2人の優勝決定戦。2人とも敗れた場合には、4敗勢で勝った力士を含めた優勝決定戦、となることになった。4敗同士の対戦が一番あり、このいずれかは5敗に後退するが、伯乃富士が勝った場合には、最大6人による優勝決定戦の可能性も生じることになった。
 
最も可能性が高いのは霧島と若隆景の決定戦かとは思うが、霧島はかなり手の中に入りかけていた優勝の行方が紛れてきたことがどれだけ焦りを呼ぶか。若隆景は、霧島との決定戦となればチャレンジャーとして挑めるので気持ちの上では優位だが、対戦成績では霧島には5連敗中なので、何らか対策は必要になってこよう。
 
さあ、あすはいよいよ千秋楽。果たして優勝は落ち着くところに落ち着くのか、それとも開けてビックリの優勝力士が誕生するのか。最後まで前頭二ケタの力士が4人も名を連ねる優勝争いなど記憶にないが、現に幕尻の藤凌駕だって義ノ富士に勝っているのだから、もうこうなっては、どんな結末も、あり得ない話ではない。

文=藤本泰祐

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