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2020-07-25

【相撲編集部が選ぶ7月場所7日目の一番】 炎鵬(寄り切り)玉鷲

白鵬、朝乃山、御嶽海の3人は全勝をキープ。御嶽海は阿炎の休場による不戦勝で、労せず白星が転がり込んだ。昨晩、阿炎は知人数名と会食に出かけてしまい、外出禁止を破ったため休場。今後はPCR検査を受けて、陰性が認められるまで出場できない。

※写真上=考えた立ち合いから玉鷲を寄り切り、連勝を飾った炎鵬
写真:月刊相撲

 この日、一番大きな拍手を受けたのは炎鵬だった。初顔の玉鷲に対して考えた取り口で4勝目。白星を先行させた。

 炎鵬は立ち合いで踏み込まず、一歩下がって防御の姿勢で玉鷲を待ち、相手の突きを低くかわすと左を深く差して潜り込んだ。首が極まりそうになりヒヤリとしたが、玉鷲の右小手投げを足の運びよくしのぐ。さらに玉鷲が小手に振って上体が伸びたところを右前ミツを取って寄り切った。炎鵬の作戦がはまった一番だった。

「立ち合いで下がったのは、相手は突いてくると思ったので、飛び込んで中に入っていこうという意識でした。中に入って、いい感じで取れたかなと思います」と取り口を振り返った炎鵬。首を極められたが、「もうダメだと何回も思いましたが、何とかこらえました」。

 ここまでヌケヌケの星で、「1場所空いたせいか、動きが鈍い」と語っていた炎鵬が初めて連勝。好調時の動きが戻ってきた。「一日一番、気持ちを引き締めて取って、白星がついてくればいいかなと思います」と気分よく国技館をあとにした。

 敗れた玉鷲の話も聞きたかったが取材拒否。小兵の術中にはまって悔しかったのだろう。今場所は東西支度部屋の出入り口近くに置かれたパソコンを使ってのリモート取材で、協会広報部の職員が力士を連れてくるのだが、負けた力士や勝っても内容の悪い力士は、取材を断ることが多い。通常の取材なら、質問すれば、何かしら答えてくれるのだが……。

文=山口亜土

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