2020-07-20

【相撲編集部が選ぶ７月場所２日目の一番】白鵬（上手投げ）豊山

相撲編集部

２日目から早くも横綱鶴竜が右ヒジ靱帯損傷のため休場した。初日の遠藤戦では右からの裾払いが空振りし、腰砕けで転倒。倒れた際に右手を付き、ヒジを痛めたそうだ。

※写真上＝豊山を鮮やかな上手投げで一蹴し、初日の不安を一掃した白鵬
写真：月刊相撲

　これで白鵬が一人横綱となってしまった。今場所前は出稽古が禁止され、白鵬の稽古相手は炎鵬と石浦の小兵関取２人。体の大きな幕下力士にも胸は出していただろうが、「重さという点では不安がある」と語っていた。

　初日の隠岐の海戦では攻め込まれながらも、回り込んでの肩透かしで逆転。明らかに稽古不足の印象だった。２日目も大きな豊山が相手。苦戦が予想されたが、見事な相撲で不安を一掃した。

　白鵬は胸から当たって右を差すと、左上手も早かった。間髪を入れず、右から巻くようにして左上手投げ。豊山の巨体を鮮やかに転がした。

「いいところが取れたので、出るか、投げるかの流れでしたね。上手投げの流れができて、見せつけたというか、よかったです」と上機嫌。

　初日前日にＮＨＫＢＳで放送された相撲番組の特集が上手投げで、白鵬の上手投げは５日目が一番多いというデータが出ていたが、２日目に飛び出した。白鵬は自身の上手投げを「胸で投げる」と評していたが、「まあ、いい投げでしたね。気分よかった」と密着した状態から投げた。

　鶴竜の休場については、「残念ですけど、早くケガを治すことが大事。託されたと思って頑張っていきたい」と気を引き締めた。

　今場所は稽古の制約があって、どの力士も稽古不足気味。そんな状況では経験豊富な白鵬が有利かもしれない。連勝スタートを切った白鵬が、今場所の優勝争いを引っ張っていくだろう。

文＝山口亜土

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