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2026-06-16

【陸上】日本選手権・女子ハンマー投で村上来花が日本歴代2位で連覇達成!「勝たなきゃいけない」から「負けたくない」という、心境の変化。

5回目に67m10を投げていた村上は最終投てきで日本歴代2位となる68m18をマークした(写真/宮原和也)

6月12日から14日までパロマ瑞穂スタジアム(愛知)で開催された日本選手権。会場には3日間で5万5000人以上が来場し、連日、大歓声に包まれた。大会2日目に行われた女子ハンマー投は村上来花(ゼンリン)が日本歴代2位の68m18で連覇を達成した。

「来花が来花らしく、投げただけ」

優勝を決めて記念撮影に臨んだ村上は、カップを手にすると感極まって涙が溢れ出た。
「この日本選手権は、自分自身に勝つことを目標に掲げてきたので、そこを達成できたことがうれしい」

日本記録(70m51)保持者で、23、24年覇者のマッカーサー・ジョイ・アイリス(在外個人)との直接対決。1投目から村上が64m20、マッカーサーが63m26と投げ合った。

「これまでは前半に記録を残しても、気持ちが入りすぎて後半は力んでしまい、記録を伸ばせないことがありました。最近は後半(の3投)も前半以上のパフォーマンスを出せるような、気持ちの切り替えができるようになりました」

スピード感を増した村上の5投目は、自己記録の67m10をマーク。マッカーサーも6投目に64m14と記録を伸ばしたが、村上には届かず。優勝を決めて臨んだ6投目に、村上はさらに記録を更新し、日本歴代2位となる68m18を投げ切った。

記念撮影のためにカップを手に持つと感極まり、涙があふれた村上(写真/宮原和也)
記念撮影のためにカップを手に持つと感極まり、涙があふれた村上(写真/宮原和也)

1年前の日本選手権は、当時の自己ベスト66m88(学生新、大会新)で初優勝。村上は「(前回の)日本選手権ほど競技に対してまっすぐに向き合い、気持ちを強くした大会はなかった」と話していた。

弘前実高(青森)時代から本格的にハンマー投を始めた村上は、すぐに頭角を現して各学年の最高記録を更新。高3の4月には高校女子初の60m超えを達成し、高校記録とU18日本記録(共に62m88)を樹立した。この記録は当時の国内全体でもシーズントップ3に入った。

九州共立大へ進学し、1年のU20世界選手権(コロンビア)では、ハンマー投で日本人女子大会初の銅メダルを獲得。2年時はアジア選手権(タイ)でも銅メダルを獲得するなど、国内トップランカーとして投げ続けた。

しかし日本選手権は初出場の高3のときに3位、以降2位、3位と日本一を逃し続けてきた。「勝ちを意識しすぎて自分を追い込んでいた」からだった。

心境に変化があったのは、大学4年になった昨年6月の日本インカレ。指導する九州共立大の疋田晃久先生の言葉を借りると「『勝たなきゃいけない』から『負けたくない』に変わった」のが、このころだった。

トップランカーだから「勝たなきゃいけない」ではなく、自分自身が「負けたくない」からハンマーを投げる。その素直な自分軸のモチベーションこそが、村上を初の日本一へと導いた。

今大会、自己記録で連覇を成し遂げた愛弟子を、疋田先生はこうたたえた。
「来花が来花らしく、投げただけ」。

70m超え、そして日本記録へ――。
村上は日本選手権を終えて、こう語ってくれた。
「今日、この記録(68m18)を出すまで(70mは)まだ届かないのかな、と思っていましたが、少しそこが見えてきたと思います」。

文/新甫條利子 写真/宮原和也

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