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2020-01-14

相撲編集部が選ぶ初場所3日目の一番 北勝富士(押し出し)鶴竜

2日目を終わって役力士の連勝は新関脇の朝乃山だけと、今場所も混戦模様。3日目も鶴竜、白鵬の両横綱が敗れる波乱となった。

※写真上=「優勝が目標」と言い切る北勝富士が、鶴竜を破り7個目の金星を獲得
写真:月刊相撲

 平幕の北勝富士と対戦した鶴竜は、一度は下から押し上げて攻め込んだが、右ノド輪で対抗されると我慢できずに引いたところを逆襲され、あっさりと土俵を割った。

「攻められても、しっかり前に圧力をかけていれば、引いてくれるんじゃないかと思っていた」と北勝富士は、鶴竜の引きを待っていた。

 敗れた鶴竜は、「相撲勘の問題じゃない。相手に力が伝わっていない」と肩を落とした。昨年の秋、九州と2場所連続で休場しており、今場所の成績次第では、次の春場所に進退が懸かることになる。

 白鵬と同時期に帰化申請をしているが、奥さんがモンゴル人ということで、白鵬よりも時間がかかり、まだ認められていない。鶴竜には名門井筒部屋の再興という使命が託されているだけに、何とか踏みとどまってほしい。

 初日から2大関、横綱に勝って3連勝とし、7個目の金星を獲得した北勝富士は、「金星を取っている場合じゃない。三役に定着しないといけない」と言う。

 八角部屋から優勝力士を出すのが理事長(元横綱北勝海)の悲願で、それを託された北勝富士は毎場所、「優勝が目標」と語っている。

「こんなことを言うとバカにされるかもしれないけど、上位陣に1回も勝っていない人はいない。だから、ひと場所にそれがまとまれば、優勝できるんじゃないかと思っている。今は気持ちが高まっている状態なので、これを切らさないよう集中してやるだけです」と気合十分。

 初場所はこの4年間、琴奨菊、稀勢の里、栃ノ心、玉鷲と初優勝が続いている。どのような結果が待っているのか、楽しみだ。

文=山口亜土

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