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2026-07-03

【連載 大相撲が大好きになる 話の玉手箱】第39回「笑い話」その3

平成30年夏場所10日目、千代翔馬は豊山に敗れて負け越しが決まった

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大阪人が、あるいは関西人が、2人寄れば漫才になるって、よく言いますね。
話している中で、ここで突っ込めば笑いが取れる、というところを見逃さず、巧みに落として笑かす。
笑いは人生の潤滑油、生きるビタミン剤であります。
でも、この突っ込むタイミングというのが難しいんですねよ。
一つ間違えば相手の感情を害し、ケンカになりかねませんから。
大阪人はどうしてあんなに笑いを取るのが上手なんでしょうか。
力士と言えば、無口で、およそ機転の利かない人間のように思われがちですが、なかなかどうして。
大阪の人顔負けのおもろい会話ができる力士もいっぱいいます。
力士のユーモア感覚ってどんなものかって? 
まあ、聞いてください。笑ってください。
※月刊『相撲』平成31年4月号から連載中の「大相撲が大好きになる 話の玉手箱」を一部編集。毎週金曜日に公開します。

廻しを新調しても

土俵に上がった力士たちが唯一、身に着けていいもの、それが廻しだ。幕下以下は木綿製で、色は黒と決まっているが、十両以上になると絹製で、色もさまざまだ。力士たちはこの色にいろいろな思い、メッセージを込める。
 
平成30(2018)年夏場所初日、東前頭6枚目の千代翔馬はそれまで使っていた黒色の廻しから鮮やかな青色の廻しに新調し、ご機嫌でこう言った。

「どう? 似合うでしょう。この色、先代の親方(元横綱千代の富士)もつけたことがあるんですよ。黒よりも若々しく見えるし、体も大きく見えるでしょう」
 
あくまでも本人の感想で、廻しを変えたからって相撲に勝てる保証はどこにもない。この日、千代翔馬は西前頭5枚目の勢(現春日山親方)に上手投げでぶん投げられた。2日目は東前頭7枚目の竜電を下手投げで降し、なんとか白星を挙げたが、3日目から悪夢の6連敗。10日目には早々と負け越してしまい、

「ヒジを痛めてしまったんです」
 
といまにも泣きそうな顔をしていた。
 
廻しを変えた効果はさっぱり。力士は、色男が多いだけに“色”で苦労するのです。

月刊『相撲』令和4年6月号掲載

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