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2026-07-10

【連載 大相撲が大好きになる 話の玉手箱】第39回「笑い話」その4

平成30年名古屋場所初日、妙義龍に押し出された旭大星は本当に「もう一丁」と言ったのか

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大阪人が、あるいは関西人が、2人寄れば漫才になるって、よく言いますね。
話している中で、ここで突っ込めば笑いが取れる、というところを見逃さず、巧みに落として笑かす。
笑いは人生の潤滑油、生きるビタミン剤であります。
でも、この突っ込むタイミングというのが難しいんですねよ。
一つ間違えば相手の感情を害し、ケンカになりかねませんから。
大阪人はどうしてあんなに笑いを取るのが上手なんでしょうか。
力士と言えば、無口で、およそ機転の利かない人間のように思われがちですが、なかなかどうして。
大阪の人顔負けのおもろい会話ができる力士もいっぱいいます。
力士のユーモア感覚ってどんなものかって? 
まあ、聞いてください。笑ってください。
※月刊『相撲』平成31年4月号から連載中の「大相撲が大好きになる 話の玉手箱」を一部編集。毎週金曜日に公開します。

願いはもう一丁

そう言えば、この力士も廻しの色では苦労した。平成30(2018)年名古屋場所初日、西前頭8枚目の旭大星は、それまでつけていたあのハワイ出身の高見山を彷彿させるようなあでやかなオレンジ色の廻しから地味な紺色の廻しに取り替えた。
 
前の場所、新入幕で二ケタの10勝を挙げ、敢闘賞を受賞した旭大星は、場所後、都内のホテルで6年前に知り合った1つ年下の芳恵夫人と晴れて結婚式を挙げた。式には横綱の白鵬をはじめ、450人が出席している。夢のような時を過ごした旭大星はこの廻しの色に、

「これからは家庭を守って地道にやっていく」
 
という思いをこめたのだ。
 
しかし、現実は厳しい。初日、旭大星は東前頭9枚目の妙義龍(現振分親方)に一方的に押し出された。完敗だった。大事な門出をフイにされた旭大星はよほど悔しかったのだろう。こう言って大きなため息をついた。

「(押し出されたとき)、もう一丁って、言ったんだけどなあ。やっぱりダメ?」
 
そんなの、聞き入れられるワケがありません。この場所の旭大星は、せっかく廻しを新調して気分一新を図ったのに初日から6連敗したのがたたって6勝9敗と負け越した。翌場所も両ヒザの半月板損傷で途中休場を繰り返し、九州場所には十両落ちした。

月刊『相撲』令和4年6月号掲載

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