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2019-11-12

【相撲編集部が選ぶ九州場所3日目の一番】 琴勝峰(押し出し)豊昇龍

新小結の朝乃山が白鵬に敗れて、役力士の全勝が3日目にして消滅。これは珍しい記録ではないか。全勝力士も平幕の豊山、正代、新入幕の若隆景の3人だけで、混戦模様となっている。

※写真上=次時代を担う新十両同士の対戦は、体格に勝る琴勝峰に軍配
写真:月刊相撲

 この日は十両で注目の一番が組まれた。朝青龍の甥の豊昇龍と埼玉栄高出身の琴勝峰の新十両同士による対戦だ。

 2人とも親方衆の評価は高く、三役はもちろん、大関以上も狙える逸材だ。ともに20歳で同学年の2人は先場所も幕下で対戦し、琴勝峰が勝っているだけに豊昇龍としては雪辱を期していた。

 しかし、突き押し合いとなり、体格で劣る豊昇龍が引いたところをつけこまれて、押し出されてしまった。

「相手がイナしてくると思ったけど、突いてきた。先場所よりもデカくなっていた。負けたくない相手だったので悔しい」と豊昇龍。

 琴勝峰も、「負けたくない気持ちは強かった」と語り、続けて「今日は引かないように攻め続けようと思った。その通りになってよかった。止まると相手のペースになってしまうが、圧力をかけ続ければ、仕掛けられることはない」と考えたとおりの相撲が取れた。

 これで2人とも2勝1敗となり、3日連続で本場所の相撲を取るのも初めてのことだった。「毎日相撲を取るのは不思議な感じだけど、十両の所作にも慣れてきた」と琴勝峰。

 この日、東幕下7枚目で初白星を挙げた大鵬の孫の納谷も同学年で、黄金世代と呼ばれている。幕内では大卒で入門した御嶽海や朝乃山が世代交代の旗手と言われているが、その下には高卒入門の若い世代が確実に育ってきている。

文=山口亜土

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