close

2026-07-15

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所4日目の一番】大の里、流れ変えられず厳しい3敗目。 豪ノ山が行司差し違えで初の金星

相手を引き落とし、土俵を飛び出しながらも自ら大きくジャンプして落下までの時間を稼いだ大の里だが、体がないと判断され、行司差し違えで黒星。厳しい3敗目を喫した

全ての画像を見る
豪ノ山(押し出し)大の里

協議の結果は、無情の「行司差し違え」だった。
 
きのう初日を出し、立ち直りのきっかけとすることが期待された横綱大の里が、豪ノ山に押し出され、厳しい3敗目を喫した。
 
引いたところをついてこられ、体を預けられた土俵際。引き落としを掛けた大の里は土俵外に飛びながらも大きくジャンプ。物理的には豪ノ山の体が先に土俵に落ちており、大の里はいったんは庄之助の軍配を受けたが、物言いがつき、「すでに体が飛んでいた」という判断で、白星を逃した。
 
見たところ、大の里は自らジャンプして落下までの時間を稼ぎに出たような感じがあり、それで単純に体が飛んだとされるのはちょっと酷なようにも思うが、とはいえ飛んだところから復元力があるのかと言えばそうは言えないので、まあ審判にそう判断されればそこまで、というところかもしれない。
 
むしろ大の里にとっての問題は、そういうややこしい相撲にしてしまった引き技、ということになるだろう。この日も立ち合いはむしろ押し勝っていたが、右が入らないと、すぐに相手の頭を押さえて引きにいってしまった。きのうの1勝をきっかけにして流れを変えることが期待されたが、相撲内容としては初日の段階に戻ってしまったような感じだ。
 
大の里はこれで苦しい3敗目。何とか早く立て直したいところだが、この引き、叩きが思わず出てしまう、という反応を短期間で変えていくのはそんなに簡単な話ではないかもしれない。ノドから手が出るほど白星が欲しいこの状況にあって、思わず出てしまう体の反応を抑えきれるぐらいの強い気持ちを持っていけるか。状況は、ますます厳しくなってきたと言えるだろう。
 
豪ノ山は、ちょっと意外だが、これが初の金星。「(最後は)自分では分からなかったが、勝ててよかった。もう一丁かと思いました。相手に引かせるような相撲が取れて、よかったです」。今場所の東前頭2枚目は、念願の新三役まであとわずか。ここまでは星が挙がっていなかったが、これをきっかけにしていきたいところだ。
 
この日は、霧島は隆の勝に攻められる場面もあったが、しっかりしのいで4連勝。豊昇龍は美ノ海、琴櫻は藤ノ川と、それぞれうるさい相手をさばき、大の里以外の横綱・大関陣は星を伸ばした一方、きのうまで全勝できていた3関脇は、安青錦が義ノ富士を攻め切れずに逆転の上手投げを食らったほか、琴勝峰は王鵬に、熱海富士は大栄翔に敗れて、全員土がついた。今場所二ケタ勝ち星を挙げれば大関復帰の安青錦にも黒星がついたが、まあ義ノ富士は万全な状態で当たっても得意ではない相手で、それほど気を落とすには当たらない負けだろう。もちろん左足に体重を受けないように取っている感じはあるので、安青錦はいつものような動きとは言えないが、むしろ、“動きの多い相撲になっても意外についていけている”という印象もある。ここからも一つひとつ、丁寧に白星につなげていければ、というところだが、あすは琴櫻との対戦。過去は5勝1敗と合い口はいいが、大きい相手だけに、左足にあまり圧を受けずに今までのように倒せるか、というところは注目だ。
 
優勝争いのほうは、上位の全勝力士の頭数が一気に減り、霧島独走の可能性が少し膨らんだと言えるか。霧島が崩れる可能性は現段階ではさほどあるとは思えないので、平幕に2人いる全勝のほか、13人と数多くいる3勝1敗の力士の中から、誰が霧島の対抗馬に名乗りを上げてくるかが、次の見どころとなってくるか。

文=藤本泰祐

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事