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2026-09-01

【連載 泣き笑いどすこい劇場】第40回「プライド」その4

せっかくのオバマ大統領からの祝電も、宛名が昔の名前だった東関親方。しかしまったく意に介さず、さすがのユーモアで場を和ませた

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女は愛に生き、男はプライドに生きる。
そう言いませんでしたっけ。
確かに、もっとほかに楽な道がいっぱいあるのに、男ほど生き方にうるさい生き物はいません。
とりわけ、勝負に生きる男たちはそうです。
だから、人一倍努力もするし、どんな試練にもジッと歯を食いしばって耐えるんです。
つらいですよね、男って。
でも、だからこそ、人々を引きつけてつけてやまない魅力にあふれていることも確かです。
そんなプライドにこだわる土俵上の男たちのエピソードを集めました。
※月刊『相撲』平成22年11月号から連載された「泣き笑いどすこい劇場」を一部編集。毎週火曜日に公開します。

心もでかい人気者

みんな、自分の名前にそれなりの誇りを持っており、間違われると傷つく人は意外に多い。平成26(2014)年初場所、入幕3場所目の遠藤(現北陣親方)がお茶づけ海苔でおなじみの永谷園のCMに抜擢されたことが発表になり、話題になったが、力士のCM出演で有名になったのは元関脇高見山の先々代東関親方だ。

平成21年6月6日、その先々代東関の停年パーティーが都内の高輪プリンスホテルで行われた。誰からも愛される明るいキャラクターの持ち主だっただけに、500人出席の予定が1000人も押しかけ、

「2バイ、2バーイね」

とかつて受けたCMのフレーズで笑いを取り、会場は大盛りあがりだった。寄せられた祝電も文字通りヤマのようで、その中には同じハワイ出身のバラク・オバマ米大統領や日本の麻生太郎首相からも。

「本当にうれしい」

と先々代東関は目を細めて喜んでいたが、オバマ大統領の祝電を見て思わずこう叫んだ。

「あれっ、宛名が高見山になっているよ。ボクはもうとっくに(帰化して)渡辺大五郎なのに」

先々代東関が現役で大活躍していた頃、オバマ大統領はまだ少年。おそらくこのときの印象が強かったのに違いない。大統領だって、ときにはミスるのだ。しかし、先々代東関は少しも気を悪くすることなく、

「それにしても日本の郵政はすごいな。もう何十年も前の名前なのに、こうやって電報がちゃんと届くのだから」

と、こちらに感心しきりだった。

月刊『相撲』平成26年2月号掲載

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