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2026-09-23

【相撲編集部が選ぶ秋場所11日目の一番】大の里が藤ノ川を圧倒! 単独トップを守り、あす次第では独走も

藤ノ川を圧倒し、単独トップをキープした大の里は、復活優勝へ「マジック3」の形。あす熱海富士に勝てば、13日目に優勝決定の目が出てくる可能性も

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大の里(寄り切り)藤ノ川

「圧倒されたので。強かったです」
 
大関戦2番を含め6連勝と、今場所絶好調で来ていた若武者に舌を巻かせた。それほど一方的な勝負だった。
 
1敗の横綱大の里と、星1つの差で追う新関脇藤ノ川の対戦。これまでの対戦では藤ノ川のほうが連勝していることもあって注目されたが、「二度あることは三度ある」とはならなかった。むしろ、「三度目の正直」というべきか。格上の横綱が、今度はしっかりと強さを見せつけた。
 
注目の立ち合いは、大の里はここのところいい形が出だした右差し狙いを選択した。左は少し手を出して相手の肩に当てる形。藤ノ川はモロ差し狙いだったが、右は入ったものの、左差しは阻止された。立ち合いの勢いとしては互角。だが互角なら、体格に勝る大の里のほうがその後を優位に運びやすいということだ。ましてや得意の右が入っている。
 
藤ノ川は一瞬左を巻き替えようとしたがならず。右の差し手を抜き、何とか突き落としながら左に回ろうとしたが、大の里が前傾姿勢になってきたことで根こそぎ体を浮かされ、そのまま黒房下に持っていかれた。

「相手はモロ手突きだと予想していたのか?」という問いには「まあ、(右差し狙いか)どっちか。相手も考えてきてるので」と藤ノ川。今場所は左からおっつけて相手を起こす形をつくれず。動き回ることはできなかった。

「集中していた。相手の形にさせない、好きなことをさせない意識でやりました。足もよく出ていたと思います」と大の里。このところ安定してきた右差し狙いの立ち合いを信じ、そこに集中したことが快勝を生んだ。
 
この日は、この藤ノ川のほか、熱海富士が大関霧島の厳しい攻めに遭って寄り切られ、金峰山も朝乃山に右四つに組み止められて寄り切られて、2敗だった3力士が揃って3敗に後退、大の里とは星2つの差がついた(他に3敗は大関安青錦、平幕美ノ海、朝乃山)。
 
これはつまり、大の里以外の力士はすべて自力優勝の可能性を失ったということで、大の里はほかの力士がどれだけ頑張ろうがあと3勝すれば優勝。プロ野球ふうに言えば、「残り4日でマジック3」の状況になった。つまりきょう一日で大の里は優勝をグイッと大きく引き寄せたと言える。
 
あすは3敗力士の一人である熱海富士が挑むが、ここで大の里が勝つようなら、まあ残りの組み合わせにもかかってはくるが、13日目の優勝決定の可能性も現実味を帯びてくる。
 
優勝争いの興味が終盤までつながるかどうかは、まずはあす対戦する熱海富士、そして番付順なら13日目の対戦が予想される安青錦が勝って差を詰められるか次第だ。
 
まずは熱海富士。この日3敗目を喫し、今場所後の大関昇進へはとにかくまず残り全部勝ってそれからの話、にはなりつつあるが、対大の里戦は直近3連勝と期待が持てる。その熱海富士の3勝は、今年1月場所、3月場所は、大の里が右を差したが左上手を熱海富士が引いたところから反撃を食って敗れたもので、7月場所は立ち合い起こされて思わず引いた大の里が墓穴を掘ったもの。熱海富士がぐんぐん力をつけてきた最近の対戦は7月場所しかなく、場所前の横審総見でも手合わせはあったが一番だけ(右上手投げで大の里の勝ち)なので、大の里としては以前の熱海富士のつもりで当たると危険だ。
 
直近3番からすると、大の里は立ち合い当たり負けてはダメ、また、右を差せても、相手に左上手を与えては危険ということができる。この日の藤ノ川戦などは右手一本に集中しても何とかなったが、熱海富士には右手だけを前にして攻めるのでは左上手を許す危険が生じるので、右で起こしつつ、左からの攻めも必要になるだろう。熱海富士としては、まあ本人も「やることは変わらない」と思っているだろうが、右差し、左上手を狙い、どれだけ圧力を掛けて相手を起こせるか。そこが勝負になるはずだ。

文=藤本泰祐

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