アメリカンフットボールの世界最高峰・NFLは、2026年レギュラーシーズンWeek4のサーズデーナイトゲームが開催され、クリーブランド・ブラウンズが同じAFC北地区のピッツバーグ・スティーラーズに競り勝った。
2026年10月1日サーズデイナイトゲームクリーブランド・ブラウンズ○27-24●ピッツバーグ・スティーラーズ@ハンティントン・バンク・フィールド(オハイオ州)
3試合連続「第4Qのウィニングドライブ」

デショーン・ワトソンは、現代のNFLにおける最も難しい課題の一つとも言える「ブラウンズの先発QB問題」を解決しつつあるのかもしれない。
宿敵スティーラーズを破ったブラウンズは3連勝。その3試合すべてでワトソンが第4Qのゲームウイニングドライブを成し遂げた。NFL.comによれば、これはブラウンズ史上、1979年のブライアン・サイプ以来となる快挙だという。
サイプは、スティーラーズのテリー・ブラッドショー、ベンガルズのケン・アンダーソンという同地区の名QBたちと好勝負を展開した、1970年代ブラウンズの英雄だった。
地区内ライバルという言葉では表現しきれないほど、ブラウンズは長年スティーラーズに苦しめられてきた。2000年のチーム復活以降の19シーズンの対戦成績は、5勝32敗1分。その後の7シーズンは毎年1勝1敗となっているが、シーズン2勝を挙げたことは1度もない。
そんな天敵との一戦で、6万8千156人と満員となった本拠地のブラウンズファンに「我々のエースQBはワトソンだ」と信じさせるに足るパフォーマンスを見せた。
ワトソンは、テキサンズ時代を思わせるような鮮やかなプレーを見せたかと思えば、サックやインターセプトで苦しむ場面もあった。しかし勝負どころでは冷静だった。
最終的に彼は、Kアンドレ・シュミットの56ヤード決勝フィールドゴールにつながるゲームウイニングドライブを演出。迅速かつ正確な判断でパス24/33、268ヤード、1TDを記録した。
TDはTEハロルド・ファニンJr.への2ヤードパスのみだったが、前半の連続得点ドライブでも、試合を決めたフィールドゴールドライブでも、オフェンスを前進させたのはワトソンの質の高いパスだった。
そのワトソンを支えた若手タレントたちも躍動した。
今春ドラフト1巡指名のKCコンセプシオンは、テキサンズ時代のワトソンを高校生として見ていた世代。持ち前の俊敏性とランアフターキャッチ能力を発揮。2巡指名のデンゼル・ボストンとのコンビでスティーラーズ守備陣を苦しめた。
コンセプシオンは5キャッチ64ヤード、ボストンは4キャッチ89ヤードを記録。また22歳のTEファニンJr.もTDレシーブを決め、攻撃陣の活躍を締めくくった。
NFLのネクストジェネレーションスタッツによると、スティーラーズディフェンスがワトソンに記録したプレッシャー率21.6%は、今季NFL全試合の中で8番目に低い数字だった。
ディフェンス、キッキングも仕事をした

もっとも、この勝利はオフェンスだけのものではなかった。
試合の流れを大きく変えたのは、第2Q序盤にCBデンゼル・ウォードが奪ったアーロン・ロジャースのインターセプトだった。
このターンオーバーをきっかけにブラウンズは3ドライブ連続でTDを記録。守備陣は試合全体で3ターンオーバーを奪い、ロジャースに激しいプレッシャーを浴びせ続けた。
特に2年目LBカーソン・シュウェジンガーが9タックルを記録。さらにサム・ウィリアムズとアイザイア・マクガイアがそれぞれ1サック、4回のQBプレッシャーを記録し、パスラッシュを牽引した。
ブラウンズ守備陣は73.3%という高い割合でマンカバーディフェンスを敷いた。スティーラーズのレシーバー陣は十分なセパレーションを生み出せず、ロジャースはターゲットを見つけられない場面が続いた。
その結果、ロジャースは5サック、10回のQBヒットを受けることになった。これは単なるオフェンスラインの問題ではなく、ブラウンズ守備陣による優れたカバレッジの成果でもあった。
スペシャルチームも見事だった。
K(キッカー)のシュミットは3本のエクストラポイントに加え、決勝の56ヤードFGを成功。今季はFG8/8、エクストラポイント7/7とパーフェクトを続けている。またP(パンター)のコーリー・ボホルケスも4回のパントで平均62.8ヤードを記録し、ゴール前1ヤード地点へのピンポイントパントに加え、81ヤードのビッグパントも披露した。
NFLによると、ブラウンズはこれでサーズデーナイトゲーム8連勝。そして、マイク・マッカーシーHCのサーズデーナイト連勝は7で途切れた。
この勝利によりブラウンズは3勝1敗。試合前はAFC北地区4チームが同率首位だったが、その後の日曜日の結果を待たずして第5週を地区首位で終えることが確定した。ブラウンズが第4週終了時点でAFC北地区首位に立つのは、2023年開幕週以来となる。
スティーラーズQBロジャースはマッカーシーHCと口論

一方のスティーラーズは、試合開始直後こそ理想的なスタートを切った。最初のドライブで15プレー、78ヤード、約10分を費やし、ローマン・ウィルソンへの12ヤードTDプレーで先制。しかしその後は失速し、続く7回のオフェンスシリーズでわずか3得点に終わった。
RBジェイレン・ウォーレンは17回93ヤードと効果的に走ったが、十分に活用できなかった。
ロジャース自身は299ヤード、3TDを記録してスタッツ上は健闘したものの、終始ブラウンズのパスラッシュに悩まされ、フラストレーションを露にした。プレーコールが入るのが遅れ、名手には珍しいディレイ・オブ・ゲームの反則も取られた。試合中には、マイク・マッカーシーHCと口論しているように見える場面も中継に映し出された。