7月21日からスタートした世界選手権の競泳競技。現地取材を敢行しているスイミングマガジンでは、レース後のコメントをはじめ、注目レースの紹介やレースを見て感じたことなどを、少しラフなタッチも入れ込みつつ、紹介していく。スイマガルポだけに、マニアックすぎたらゴメンナサイ!
※写真上=昨日の男子100m平泳ぎ準決勝で世界新を出したピーティ(左)を称える小関。今晩、メダルを目指した快泳を楽しみにしたい
写真◎毛受亮介/スイミング・マガジン
今日の決勝で注目なのは何といっても男子100m平泳ぎ。見ましたか!? 昨日の準決勝、アダム・ピーティ(英国)の世界新。未知の領域に入る56秒88。それまで自身が持っていた57秒10を0秒22も縮めた驚異的な記録だった。前半は26秒63で、これホントに平泳ぎ? という高速の折り返し。今晩の決勝でさらに上回ってくるのか、注目だ。
そして日本の第一人者、小関也朱篤(ミキハウス)もかなり好調の様子。予選を58秒91、準決勝も58秒89と、ハイアベレージで2本そろえてきたが、まだ余力ありの表情。「58秒前半で銀メダルを目指します」と、世界新のピーティへの賛辞も込めながら意気込みを語った。
そして、もうひとつ注目なのが本日最終レースの女子200m個人メドレー。大本里佳(中央大4年/イトマンSS)が5位、大橋悠依(イトマン東進)が6位残りで、ここから表彰台を目指す。準決勝を終えた両者は、ともにまだ余力はあると話し、大本は「背泳ぎと平泳ぎをうまく泳ぐこと」、大橋は「自分の泳ぎに徹することができるか」をポイントにあげた。優勝は、鉄の女の異名が健在のカティンカ・ホズー(ハンガリー)が最も近い位置にいる。なんとか一矢報いたい。
昨日の男子400mフリーリレーは、精巣ガンから復活を果たしたネイサン・エイドリアン(米国)を称えるかのように米国が優勝を飾ったが、2位に入ったロシアも底力を見せつけた。そのロシアのアンカーを務めたのがエフゲニー・リロフ。米国のアンカー、エイドリアンを追い上げ、あわや撃破というところまで追い込んだ泳ぎは見事だった。
リロフの本職は背泳ぎ。4年前の世界選手権ですい星のごとく現れ、18歳にして200m背泳ぎの銅メダリストに。2016年リオ五輪でも銅メダルを獲得し、前回大会の2017年世界選手権でついに金メダリストになった王者だ。
リロフが引き継ぎでマークした記録は47秒02と、エイドリアンの47秒08を上回り、アンカーの中で最速のタイム。リオ五輪100m自由形金メダリストのカイル・カルマース(豪州)の47秒06をも上回る驚愕の記録だった。たとえ背泳ぎが本職でも自由形もここまで速いのが世界の超一流選手。凄すぎ、リロフ!
今日から本職の背泳ぎがスタート。100mはかなりの激戦種目でレベルも高いが、100mでのメダル獲得がなれば波に乗ることができる。そして200mでは、その勢いに乗って2009年の高速水着時代の記録がいまだ残る世界記録の更新を期待したい。
文◎桜間晶子(スイミング・マガジン)
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