7月21日から始まる世界選手権の競泳競技。選手は昨日17日に現地入りし、最後の調整を行なっている。競泳初日は21日。8日間、すべてをぶつける戦いが始まる。
写真/21日から競泳競技が始まる世界選手権では、200、400m個人メドレーにエントリーしている大橋(撮影◎毛受亮介/スイミング・マガジン)
2年前のこの大会。大会2日目の200m個人メドレーで銀メダルを獲得し、一気に世界のトップ戦線に躍り出た大橋悠依(イトマン東進)。たった2年で、押しも押されもせぬ日本のエースへと成長し、今大会は、世界のライバルたちからもトップ選手と認められた中で優勝争いをする大会となる。
大橋は、6月上旬から1カ月超にわたり米国・フラッグスタッフにて高地トレーニングを行なった。平井伯昌コーチのもと、日ごろから練習をともに積む青木玲緒樹(ミズノ)、白井璃緒(東洋大2年)と長く厳しい合宿を乗り越え、7月10日に帰国。すっきりとした表情ににこりと笑みを携え、その様子からは合宿の充実が見て取れた。
合宿の様子を、「練習はキツかったです(笑)」と茶目っ気を交えて語り、「泳ぎの部分では、最近、パワーがついてどちらかというと力まかせの泳ぎになっていたのを、もう一度、私の長所でもある大きな泳ぎで泳ぐことを心掛けて泳ぐようにしていました。練習内容は、一緒に練習していた青木選手と白井選手が200mまでの選手なので、どちらかというと200m寄りかな…、でも持久力の練習もけっこうやりました」と振り返った。
さらに、大きく泳ぐこと以外に留意したのは、タイムとストロークテンポを一致させること。大きなストロークで泳ぎ、それを同じテンポで繰り返し、そこに理想のタイムがついてくれば、これぞまさに大橋の真骨頂。それを毎回、確認しながら練習を積み上げていったという。
最大のライバルは、リオ五輪で200、400m個人メドレーを制した女王、カティンカ・ホズー(ハンガリー)。30歳になってもなお衰えの兆しを見せない鉄の女だ。
それでも大橋は、周囲の期待も喧噪も十二分に理解しつつ、「メダルの色にこだわるのではなく、まずは自分のレースをしたいと思っています」とかみしめるように語った。
自分の泳ぎができれば結果はついてくる。まずは自分が納得する泳ぎを――。大橋の鮮やかな泳ぎと心からの笑顔を楽しみに待ちたい。
文◎桜間晶子(スイミング・マガジン)
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