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2020-05-13

【陸上】インターハイ中止を受けて強豪高校指導者の思い

無駄なことはない

 今、世の中を見ているとどうしても、「文化」「スポーツ」がないがしろにされているように思えてしまいます。安全、平和があってこそのものだというのは十分に理解しています。でも、人類がどれだけスポーツに助けられてきたのか。スポーツの役割は、表面に出てくるものだけではありません。数字に表せないものがたくさんあります。そして、スポーツをする、上を目指す過程でどれだけの時間をかけているのか。それを私たちは肌感覚で感じてきました。制限が解除されて、「はい、スタート」とはいかないんです。

 大会がなくても陸上競技はなくなりません。今は、つらくて、悔しくて先が見えなくて、しんどいときだと思います。でも、今だからこそ、自分を見つめる大事な機会になるのではないでしょうか。これまで、先生や指導者に言われたことをやる陸上だった人もいると思います。でもその存在が今、目の前にいない。こんなご時世だからこそ、自分に目が向くと思います。自分と向き合って、自立をするという意味でも、この数カ月を無駄な期間と思ってはいけません。陸上競技の数字として表れなかったとしても、必ずどこかでこの経験を生かせるときがあります。無駄なことはない。皆さんはそれを陸上から学んでいるはずです。

※現在発売中の陸上競技マガジン6月号では、相洋高の銭谷満先生、中京大中京高の北村肇先生、至学館大・至学館高の稲垣克憲先生、市船橋高の後藤彰英先生、東京高の小林隆雄先生、仙台育英高の釜石慶太先生からのコメントも掲載しています。

構成/常盤真葵(陸上競技マガジン)

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