東京五輪のマラソン日本代表(男女各上位2名)を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)女子は、大方の予想を覆し、序盤からハイペースとなり、有力選手がペースを崩すなど波乱の展開となったが、前田穂南(天満屋)が終始、自身のペースを保ち、中盤以降は独走態勢に入り、そのままゴールテープを切った。2位には鈴木亜由子(JP日本郵政グループ)が小原怜(天満屋)の追い上げを振り切り2位となった。
写真上=東京五輪代表内定を決めた前田(右)と鈴木
撮影/田中慎一郎(陸上競技マガジン)
東京五輪代表の3枠目は、今後行われる3大会においてMGCファイナルチャレンジ設定記録(2時間22分22秒)を突破した最上位者(MGC出場資格保持者および今大会完走者)となるが、もし該当者が出なければ、今大会3位の小原に代表内定が与えられることなる。
以下主な選手のコメント。
「ペースはあまり気にせずに自分のリズムで走ること、リラックスして走ることを心掛けました。20kmのところは仕掛けたつもりはないですが、いつの間にか後ろの選手がいなかった感じでした。誰か来るかなと思っていましたが、誰も来ませんでした。30kmの変化走、ラスト1kmでスピードを上げる練習などで自信を持つことができました。これまでマラソンで、世界で戦いたいという気持ちでやってきたので、良かったと思います」
レースを終始支配した前田。自分のペースを貫いたことが結果に結びついた
撮影/田中慎一郎(陸上競技マガジン)
「まずは2位を確保できたことはほっとしましたが、かなり後半きつくなり、課題が残ったレースでした。マラソン2回目ですが、マラソンの怖さを知ったので、これからまた準備をして、東京五輪では世界で戦えるようにしていきたいです。また、大会に向けては継続した練習はできましたが、質の面ではまだまだ追い込めると思うので、しっかりと取り組んでいければと思います。前田さんが出ていったところで付いて行かなかったのは、付いっていったら厳しいと判断してのことです。ただ、最後まで何とか粘りたいのはオリンピックに出たいという気持ちで粘れたと思います」
「あいまいな立ち位置にはなってしまったのですが、(3位に入り)首の皮一枚つながったと思うので、気を引き締めた頑張っていきたいと思います。きつかったですけど、最初の勢いに乗って後半暑さを感じる部分もありましたが、暑い中でも氷を多く擁いしておいていただいた。追い込んでもまた3位、ツメのあまさ、ダメですね。練習がすごくできたというわけではなかった中で、粘りながら走れたこと、この暑さ、東京五輪と同じコースで走れたことは無駄ではなかったと思います」
「結果がすべての世界なので、実力がなかったんだと思います。ファイナルチャレンジは、失意の気持ちが抜けていないので、1回休んで考え、真摯に取り組んでいきたいと思います。(前半のハイペースでリズムに乗れなかった?)はい。ただ、ラスト5km切って1分以上差があったのですが、沿道から『まだ、勝てるよ』と声をかけていただくなど、声援が力になりました」
「めちゃめちゃ緊張してた。練習してないから緊張が半端ない、やっぱダメだね、練習しないと。完走はしたけど、勝負はできなかったですね」
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