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2018-12-20

箱根駅伝 チーム別展望5 中央学院大 常連校から強豪校へ

箱根駅伝のエントリーメンバーからチーム別に展望する5校目は中央学院大。4年連続でシード権獲得中で17年連続20回目の出場の常連校は、一つ上のステージを目指す。

※写真上=全日本大学駅伝1区で区間6位と流れを作った高橋(写真/JMPA)

中央学院大チームエントリー

中央学院大    5000mSB  10000mSB
廣  佳樹(4) 14分26秒23 29分51秒20
釜谷 直樹(4) 14分34秒08  ――
樋口  陸(4) 14分34秒56 30分32秒29
福岡 海統(4) 14分17秒75 29分32秒17
市山  翼(4) 14分13秒72 29分04秒74
高砂 大地(3)  ――     ――
長山 瑞季(3) 14分44秒00 29分26秒27
有馬 圭哉(3) 14分11秒82 29分08秒76
川村 悠登(3) 14分12秒92 28分39秒39
大濱  輝(3) 14分46秒02 29分30秒83
藤井 雄大(3) 14分43秒86 29分42秒22
髙橋 翔也(2) 14分18秒15 28分54秒68
石綿 宏人(2) 14分19秒69 29分11秒06
畝  歩夢(2) 14分58秒52 30分16秒24
栗原 啓吾(1) 14分39秒21 29分51秒31
吉田 光汰(1) 14分29秒65 29分42秒65
チーム平均     14分30秒01 29分31秒70
※箱根駅伝エントリーメンバーと5000m、10000mの今シーズンのベストタイム(12月14日現在)

エース格がエントリーから外れる

 今季、故障に悩まされてきたエース格の横川巧(3年)がエントリーから外れた。5000m、10000mはチームトップの記録を持ち、1年生から2大会連続で3区を走った経験もある。秋口、川崎勇二監督は順調に戻ってくれば、主要区間での起用を示唆していただけに影響は少なからずある。
 ただ、最悪の事態は免れた。ケガからの回復が懸念されていた主軸の樋口陸、高砂大地はメンバー入りした。今シーズンの出雲駅伝、全日本駅伝は欠場しているものの、過去の実績は十分。指揮官は信頼を寄せている。
 前回大会の経験者は主将の廣佳樹、樋口、市山翼、有馬圭哉、高橋翔也の5人。初エントリーされた面々は成長株がそろう。釜谷直樹は4年目にして、11月の伊勢路で大学駅伝デビューを果たした「遅れてきたルーキー」。最後に懸ける思いは強い。3年生の川村悠登も今年の出雲駅伝で初めて紫のタスキをかけて走り、1区で区間4位と好走した。駅伝経験は浅いが、10000mの記録はチーム2位の28分39秒39。全日本駅伝は故障明けで回避したものの、それも箱根を見据えてのものだった。川崎監督が「いまチームで一番強い」と太鼓判を押す3年生がキーマンとなる。

出雲駅伝1区で区間4位と好走した川村(写真/太田裕史・陸上競技マガジン)

往路でどこまで粘れるか

「うちは最初で出遅れれば終わり」
 川崎監督が重要視するのは1区。川村への期待は大きい。「スピードがあり、人と競ってガンガンいけるタイプ」。3年生で初となる箱根での起用にも不安はない。2区では準エースに成長した高橋の起用が予想される。本人も自覚はある。「他校のエースが集まる区間でも、対等に走る」と意気込む。今年の出雲駅伝は3区8位、全日本駅伝では1区6位と力を付けている。レース展開をイメージしてトレーニングを積み、自信ものぞかせる。「2区で区間7位以内で走る」。頼もしい言葉には力を込めていた。
 往路は前半区間で流れをつくり、3区、4区、5区でいかに粘るかかカギ。前年度は山上りのスペシャリスト、細谷恭平(現・黒崎播磨)が5人を抜いて巻き返したが、今年度はそうもいかない。往路への思いが強い主将の廣、1年生の栗原啓吾、伸びてきた市山翼らがミスなくつなぎたいところ。
 復路は6区の山下りで結果を残してきた樋口が、万全のコンディションで臨めるかどうか。2大会連続で区間6位で走っており、能力は申し分ない。そして、頭を悩ませるのは、同じく故障明けの高砂の配置。川崎監督は「復路であれば、1km3分ペースでたんたんと走れる」とプランを立てており、あとは本人の調整次第になる。
 前回大会、7区で踏ん張った有馬圭哉は後半区間のキーパーソンになりそう。4年生で初出場を目指す釜谷直樹も復路要員として数えられており、メンバーに食い込む可能性は十分ある。
 故障明けの主軸がどこまで復調するかなど、不安要素はあるものの、侮れないのが中央学院。前回は10位。ぎりぎりで最低限のノルマをクリアしたが、4年連続シード権を獲得している安定感は本物だ。百戦錬磨の川崎監督は、適材適所の人員配置に定評がある。目標は5位以内。ずば抜けたエースはいなくとも、戦えることを証明する。
文/杉園昌之

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