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2020-09-25

【陸上】日本選手権展望・女子100mハードル/寺田、青木の日本新レベルの争いか?

今季、共に好調を維持する寺田(左)と青木(右) 撮影/毛受亮介、中野英聡(陸上競技マガジン)

10月1日(木)からデンカビッグスワンスタジアム(新潟)で開催される陸上の第104回日本選手権。女子100mハードルは今季好調の2選手、日本記録保持者の寺田明日香(パソナグループ)と上昇曲線を描く青木益未(七十七銀行)を中心に、ハイレベルな戦いが予想される。

女子100mハードル
→競技日程
10月2日(金)/予選:15時20分~、準決勝:18時30分~
10月3日(土)/決勝17時05分
→記録
日本記録 12秒97/寺田明日香(パソナグループ・2019年)
大会記録 13秒02/柴村  仁美(佐賀陸協・2013年)

ハイレベルな優勝争いに

 青木益未(七十七銀行)と寺田明日香(パソナグループ)の、ダブル日本新が期待できる種目だ。

 今季の両者の直接対決は1勝1敗。8月23日のゴールデングランプリ(GGP)では寺田が13秒03(+0.3)で優勝、青木は自己新記録となる13秒09で2位。GGPから6日後のAthlete Night in FUKUI(福井)では、青木が予選で日本歴代6位タイとなる13秒08(+1.7)と自己記録を更新すると、決勝では追い風2.1mで惜しくも公認にはならなかったが(公認記録は+2.0mまで)12秒87で優勝、2位の寺田も12秒93と、共に日本記録(12秒97)を上回るレベルで優勝争いを演じた。

 青木は大舞台に強い選手で、過去2年の日本選手権でも自己新を出してきた。2018年は13秒17で優勝し、昨年も13秒15の2位で、木村文子(エディオン)に0秒01と肉薄した。持ち味だった勝負強さに、「これまであまり考えてこなかった」技術面への意識開眼で、完全に上昇気流に乗っている。

 寺田も似たパターンで、昨年6年ぶりに陸上競技に復帰し、新しいコーチとスプリント力向上と新しい技術に取り組んできた。寺田を取材していて感じるのは、踏切位置を遠くすることなど大きな課題は同じでも、そこへのアプローチは幾通りもあり、レースごとに発する言葉も変わってくる点。それだけ一つの型にこだわらずに、ベストな方法を探っている証左といえる。

 2人にとって重要なのは実績よりも、自らが目指す技術のなかで今どの段階にあるかだろう。その2020年バージョンの最終形を、日本選手権で披露する。昨年の男子110mHのように、2人が同タイムの日本記録でフィニッシュする結果になっても驚かない。

日本選手権優勝6回の木村は欠場

 寺田、青木に続くグループは、GGP4位の田中佑美(立命大4年)、7月の東京選手権で青木に勝った鈴木美帆(長谷川体育施設)、日本選手権優勝2回、日本歴代3位タイの13秒02の自己記録を持つ紫村仁美(東邦銀行)、日本歴代8位タイの13秒13の自己ベストを持つ福部真子(日本建設工業)らが混沌とした情勢。

 昨年の王者で現役最多の日本選手権6度の優勝を誇る木村文子(エディオン)は、今季1試合のみの出場で、今大会は来季に備え、出場を見送ることに。

 今季、日本歴代8位タイの13秒13の自己ベストを更新し好調だった清山ちさと(いちご)は福井でのレース後、ウェイトトレーニングで股関節裂離骨折をしたことを自身のSNSで公表。今大会の出場を見送り、来シーズンに向けリハビリに専念することになった。

 選手層の厚さがレベルアップにつながっている種目で、女子の短距離・跳躍のなかでは世界が近い数少ない種目でもある。適用期間外ではあるが、12秒84の五輪標準記録に迫ってほしい。

※この記事は「陸上競技マガジン10月号」に掲載された内容に加筆、訂正を加えたものです。

文/寺田辰朗、編集部

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