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2020-10-01

【ミズノ・オープン】8ペアによる無料ライブ配信大会10月3、4日に開催決定! 記念対談 堀晃大×小林幸司

 現在の状況で、できることはないか。時間をかけて、何度も意見をぶつけた。それが形となったのがミズノ“オープン”だ。ソフトテニスの新たな可能性を“開く”(オープン)、そんな想いも込めたミズノ初のオンライン無料ライブ配信大会の開催が決まり、全国へ男子トップの戦いを届けることに。魅せる大会へのきっかけになればと願う。

MIZUNO RACKET SPORTS公式アカウントにてLIVE配信予定

魅せる大会運営はこれからのモデルに

――この大会を企画するようになった経緯から教えてください。
小林 元々はナショナル合宿が延期になり、天皇杯など主要な大会がなくなっていくなかで、何かできないかという声は社内にもありました。そこで、年齢の近いNTT西日本監督の堀さんにご相談させてもらったのが出発点です。雑談からでしたが、アイデアを出し合い、その後ウェブミーティングでより具体的なお話をさせていただくようになりました。堀さんも「思うところがあるので、形にしたいな」ということで、構想は少しずつ膨らんでいきました。

  5月の連休明けでしたね。私も魅力ある大会をやりたい気持ちはありましたから。そもそも、新型コロナウイルス感染拡大で自粛になった時点で、今までの大会を見直すとか、ナショナル、アンダーの中身を再考するという期間が与えられたと思っていました。もちろん、NTT西日本のチームのこともそうです。この時間があるうちに、工夫して、変えていこう。そう考えていたなかで、ミズノさんからこういう大会をご提案いただいたので、それは前向きにやっていきましょうとなりました。

――堀さんは大会の趣旨に共感して、出場も決めたわけですか。

  NTT西日本の今年のスローガンは感動です。感じて動く、感動させる……。もちろん、感動させるためだけにテニスをやっているわけではないですが、自分自身が日々の成長を感じて、感動して、うまくなっているな、まだまだだなとか、明日頑張ろうとか小さな感動の積み重ねが人間味となり、ひいては見ている人の感動を生みます。感動させるプレー、感動させる大会、生でライブにかじりついて感動してほしいというミズノさんからの思いがあり、我々のテーマとばっちり合った。やる人、見る人が感動できる大会がしたいな、と。大会がなくなり、選手たちもギリギリのところでモチベーションを保ってきましたが、こういう魅力ある大会、目標ができて、チームは気合を入れて準備をしています。

小林 まず大前提として、見る側が楽しめる大会にするためにどうすべきか。現状では無観客試合になるので、配信することが必要です。そこから話は膨らんでいきました。例えば、団体戦にしたほうがいいのではないかとか、見たいペアを投票してもらうことでオールスター戦のようにするなど、いろいろなアイデアを出して、そこから精査していきました。


 最初は私と原(侑輝・コーチ)が、あれがいい、これがいいと思いつくことを出し合ったことからです。

小林 同時に考えるべきことは、見てもらうためにすべきことは何か。インドアのほうがボールは見えやすい。さらに見やすくするためにコートにシートを引いたらどうかなど、いろいろなシミュレーションをして、お金を払っても見たいコンテンツにしたい、すべきだ、と。それは選手側のモチベーション、パフォーマンスアップにつながると思います。

――見る側を満足させるためには、どういうことが必要でしょうか。例えば、常にスコアが分かればいいなと思いますが。

  演出を良くすればカッコよくなります。ポイントが分かりやすいかどうかもそうでしょう。解説もその場で聞ける。工夫してカッコいい演出を増やしていけば、選手たち側の意識も変わります。良い意味でカッコつけないといけなくなりますから。自分の立場としては、選手の意識を変えないといけないと思います。これだけ素晴らしいプレーをするのに、何かカッコ悪いところがある。だらっとしたり、暗かったり、淡々としすぎて、どこがビッグポイントなのか見ている側が分からないからハラハラしない。
引退してから、シノコバを見習えよと思うようになりました。彼らは勝ち続けるだけでなく、観客をひきつけるような華がありましたから。ああいうスタンダードで何人もそういう選手がいないとだめだな。子どもたちに夢を与える、大人になってもソフトテニスを続けるようになってもらいたい。それには選手たちの意識改革が必要です。私にはできなかったし、実績や自信もなかった。だからこそ余計に、高レベルの選手たちを見ると、「もっとカッコつけろよ~」って思っちゃう。

――見せる側の立場としての考え方は変えていける分野です。

  今回は無観客ですが、きっかけになるというか、こういうふうにやっていけばいいんだなと思わせるような大会にしたいですね。来年以降の参考になるとか。
小林 既存の大会もそうです。もっとお客さんが集まる方法があるんじゃないかと話すことがあります。お金を払って来ていただくにはどうすべきか。どうすれば盛り上がるのか。喜んでもらえるのか。この先、変えていくタイミングなのかな、と。

――東京インドアでシノコバの人気はすごかったですし。

小林 あれは単に自分の人気というか。

  謙虚やな~(笑)。

小林 子どもたちからすれば、生で見られたとかもそうですが、試合以外に楽しめることがあるのは大切です。家族で楽しめる、両親が見に来ても楽しめる。あとは、他競技のように代表合宿を見に来るとか。四日市で行っているナショナルや代表合宿は非常に内容が濃くて、参考になることはたくさんあります。でも、見に来ないのか、来られない、知らないのか。

堀  あんなふうにできるんだとか、子どもたちは見て学びますからね。

ほり・こうだい●1983年8月29日生まれ。長崎県出身。177㌢、O型、後衛。精道三川台中→島原商高→日本大→NTT西日本。2015年1月に監督に就任し6年目。2019年は日本リーグ10連覇を達成

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