大会2日目、男女そろって金メダルを含む全員がメダルを獲得した日本勢。男女両監督も安どの表情を見せた。

井上康生 男子監督

東京五輪はどっちが出ても金メダルを獲れるよう強化していきたい

両者の戦いとなった準決勝では、これが決勝であればなという思いはありました。それは、世界最高峰の戦いを決勝でしてもらいたかったという思いがひとつと、2人が対戦した4月の全日本選抜体重別選手権が、死闘と言えるキツイ戦いで、そのあと、両者ともにケガに見舞われるなど大変なことがあったので、ここで対戦したことで消耗し、共倒れにならなければいいなと思っていました。両者ともに最後まで執念をもって戦ってくれたと思います。

丸山は選抜体重別の後、今大会に照準を絞り、そして勝ちきったのは素晴らしかったと思います。決勝前に、本人に試合ができるかと確認したところ、問題ありませんと返ってきたので、何が何でもどんな形でもいいから優勝をもぎとってこい、と話をして送り出しました。

 阿部については、今日の組み合わせは強豪との戦いで丸山以上に厳しい勝ち上がりだったと思います。予選ラウンドでは初戦の相手はグランプリ・ザグレブの優勝者でしたし、2回戦のでは前日の髙藤同様、眼底を痛めた部分があって、視界も悪くなっていたところがあったと思います。試合中はアドレナリンが出ることで感じていなかったと思いますが、そういう影響も少なからずあったと思います。また、選抜体重別のときに痛めた脇腹、そのあとにケガした足のケガの影響もあったと思います。しかし、そこから回復させる過程を含め今日までの道のりについては、間違いなく今後にとって良い経験になったんじゃないかなと思いますし、ひとまわり強くなってきている彼を見ることができているんじゃないかと思います。3位決定戦は精神的にも体力的にもキツかったと思いますが、よく頑張ったと思います。今日についてはしっかりと分析して次につなげていくことが、彼をさらに一回りも二回りも成長させていくのではないかと思います。

両者の戦いにおいては、大会前から、丸山が阿部に連勝していましたのでリードしている、とはお話ししていましたが、今日の勝ちによって丸山がさらにリードしたとは言えますが、まだまだだ、わからないというところ、戦いは続くなという期待させてくれると思っていますので楽しみにしたいなと思います。今後も世界最高峰の戦いを続けていきながら、東京五輪はどっちが出ても金メダルを獲れるよう強化していきたいと思います。

丸山の右ヒザのケガについては本人の感覚では内側足幅靱帯を痛めたのではないかとのことです。決勝では痛み止めを飲んで、テーピングで固めたなかでは十分にできると話していたので。指はちょっと釣った感じじゃないかと思います。いずれにせよ、前日の髙藤同様、しっかりと診察を受けさせたいと思います。

画像: ※写真上=日本人対決となった66kg級準決勝は、激闘の末に丸山(白)が阿部(青)に勝利 写真◎近代柔道

※写真上=日本人対決となった66kg級準決勝は、激闘の末に丸山(白)が阿部(青)に勝利
写真◎近代柔道

増地克之 女子監督

阿部詩は昨年の世界選手権優勝、GS大阪優勝から順調だったが、その後、肩のケガがあった。でも、それを乗り越えて精神的に一回りも二回りも逞しくなったと思います。

今大会は、しっかりとした戦いぶりで2連覇。ケルメンディ、クズティナという、これまでに対戦のなかった強豪ふたりに勝ったことが大きいですね。

ケルメンディとはケンカ四つで、釣り手の勝負だった。いいところを持ったが、組み手の部分で少し警戒したかもしれません。しかし最後は、相手が疲れてきたところをきっちり寝技で仕留めた。すごく進化していると思いました。

背中を取られて引き手を取られると、圧を受けてしまう状況で、「指導」を取られるか取られないかという瀬戸際でも阿部のペースで試合を進められたのが勝因です。

立ち技でも寝技でも日々進化している。今日はケルメンディを警戒した部分がありましたが、今後は慎重さと大胆さをうまく融合して戦ってくれればと思います。

画像: ※写真上=準決勝で難敵・ケルメンディ(青)を撃破し、大会連覇を達成した阿部詩(白) 写真◎近代柔道

※写真上=準決勝で難敵・ケルメンディ(青)を撃破し、大会連覇を達成した阿部詩(白)
写真◎近代柔道

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