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2021-07-30

【柔道】「三倍努力」、最高級の結実。素根輝が威風堂々の戦いで五輪女王の座に就く

信条とする「三倍努力」を継続し、五輪金メダリストに輝いた素根輝(写真/GettyImages)

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女子78kg超級

素根 輝[パーク24]

優勝

   2019年11月、最も早く東京五輪柔道日本代表内定を決めていた素根。長いコロナ禍で心技体のブラッシュアップに苦心する時期もあったが、真の強さを手に入れたことを待望の大舞台で証明した。

 初戦の入りこそ緊張の色も見られたが、試合進行とともに体がよく動き、体落「技あり」から同じ技で一本勝ち。3回戦は18・19年世界選手権3位の実力者、サイット(トルコ)と顔を合わせ、ここでも体落「技あり」から横四方固で合わせ技「一本」。そして、第2シードのキンドゼルスカ(アゼルバイジャン)との準決勝は、相手に奥襟を許さず得意の大内刈から袈裟固の合わせ技で一本勝ち。ディッコ(フランス)の勢いを巧みな試合運びで止めたオルティス(キューバ)との決勝を迎えた。

 金メダルを懸けたマッチアップは、ともに引き手を許さない展開で延長戦へ。なおも引き手争いが続いたが、しだいに疲弊したオルティスに6分52秒、2つめの「指導」。対照的に、豊富な練習量に裏づけされた圧倒的なスタミナを誇る素根は大内刈や背負投を繰り出し、8分52秒、オルティスに3つめの「指導」を付けて「一本」。大粒の汗とともに感涙が顔を覆った。ジュニア時代から継続してきた「三倍努力」が、最高級の結実を見せた瞬間だった。

◎素根輝のコメント
「まず、コロナ禍でオリンピックが開催されて、感謝の気持ちでいっぱいです。オルティス選手との決勝は、とにかく先に攻めよう、絶対に負けないという気持ちで臨みました。この大会のために練習を頑張ってきたので、それをこの大会で出せて良かったです。本当に頑張ってきて良かったと思います」

オルティスを延長戦の末に下し、長く渇望してきた五輪金メダルを手にした素根(写真/GettyImages)
オルティスを延長戦の末に下し、長く渇望してきた五輪金メダルを手にした素根(写真/GettyImages)

◎素根輝/東京五輪全成績
2回戦 ○体   落△ ヘルシュコ(イスラエル)
3回戦 ○合   技△ サイット(トルコ)
準決勝 ○合   技△ キンドゼルスカ(アゼルバイジャン)
決 勝Ⓖ○指 導 3△ オルティス(キューバ)

(写真/GettyImages)

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