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2020-10-26

【陸上】女子100mハードルのベテラン・紫村仁美が目指す高み「12秒7、8とかを出したい」

昨オフにアメリカでの練習含め、新たな走りを模索する紫村 写真/早浪章弘(陸上競技マガジン)

10月24日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた第7回木南道孝記念大会。かつての名ハードラーの名を冠した大会で、女子100mハードルを紫村仁美(東邦銀行)が制した。

昨今、男子110mハードルではハイレベルな争いが繰り広げられているが、女子100mハードルも活況だ。昨年は、寺田明日香(パソナグループ)が日本人初の12秒台となる12秒97の日本新記録を樹立。今季は8月に福井で、追い風参考記録(+2.1m)ながら青木益未(七十七銀行)が12秒87、寺田も12秒93で走り、10月の日本選手権では青木が日本歴代3位タイの13秒02(-0.1)で優勝を果たした。ほかにも13秒台前半の好記録が続出しており、日本歴代トップ10の半数以上を現役選手が占めている。そんななか、木南記念で意地を見せたのがベテランの紫村だった。

決勝、スタート直後は青木がリードしていたが、紫村は中盤に逆転し、そのまま1着でフィニッシュした。向かい風1.4mと条件には恵まれなかったが、6位に終わった日本選手権からはきっちり修正して、13秒29で優勝を飾った。

「今季は、ハードルとスピード感が噛み合わず、歯痒かった。1.4mの向かい風のなか13秒29で走れて、1位をとれたのは自信になります」と、今季最後のレースでようやく“まずまず“納得のいく走りを見せた。

青木と並ぶ日本歴代3位の13秒02の自己記録を持ち、世界選手権には2回出場している紫村だが、今季は、東京五輪に出場するために、覚悟を決めたシーズンだった。

「今までの走りでは頭打ちになっている。これでは12秒台は出ないなと思いました。それに12秒9台ではなく、12秒7とか8とかを出したい。それには根本から技術を変えないとダメだと思いました」

昨年11月にアメリカ・ロサンゼルスに渡り、リオデジャネイロ五輪女子100mハードル金メダリストのブライアナ・マクニール(旧姓・ロリンズ)や同銅メダリストのクリスティ・カストリン、女子400mハードル世界記録保持者のダリラ・ムハンマドらを指導するローレンス・ジョンソン氏の指導を受け、世界のトップ選手と練習をともにした。

「コーチには、しっかり地面に力を加えて走らないと12秒台は出ないと言われています。今までは軽い感じで走っていましたが、地面に力を加えながらも素早く脚を入れ替えるということに取り組んでいます」

アメリカでの経験を基に自身のハードリングを見直し、現在も改良に取り組んでいる最中だ。

本来であれば、アメリカで数試合に出場してから帰国する予定だったが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、3月末に帰国。さらに、春先はハードル練習もままならず、なかなか新技術を習得できなかった。帰国後もリモートでジョンソン氏の指導を受けているが、ようやく噛み合い始めた現況でも「5割程度」だという。ともあれ、今シーズンの締め括りに、来季に向けて希望を見出すことができたのではないだろうか。

1学年上の寺田がブランクを経て進化を遂げたように、11月で30歳となる紫村もいっそう高みを目指すつもりだ。

陸上競技マガジン 11月号 | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社

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文/和田悟志

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