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2020-12-11

負傷判定の末にドロー。永田大士が何とか初防衛

永田(右)も近藤も決め手がないまま、負傷判定は引き分けに終わった

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日本スーパーライト級タイトルマッチ、チャンピオンの永田大士(30=三迫)対挑戦者、近藤明広(35=一力)の10回戦は10日、東京・後楽園ホールで行われ、ともに決め手がないまま、7回1分14秒、負傷判定の末に引き分けとなった。偶然のバッティングで負った永田の左目の傷が続行不能と判断されたもの。永田は初防衛に成功している。

 サウスポーの永田が懸命に前進し続ける。これを迎え撃つ近藤が、カウンターを狙う。判で押したように同じような展開が続いた。手数では断然、永田が上だった。ワンツー、右フックで様子見気配の近藤を押していく。右フックをフォローしたり、あるいは左ストレートから右ジャブを返す逆ワンツーと、さまざまにアイデアを尽くしたが、その多くは空回り。近藤はクレバーだった。永田の打ち終わりを待って、上体をずらし、間合いを遅らせた右のパンチを当てていた。ただし、こちらはあまりに攻め数が少ない。前半戦の各ラウンドは、どれも有利不利を振り分けるのが難しい。

 4ラウンドから圧力を強めた永田は、近藤の右カウンターを浴びながらも、なんとか攻勢点を奪って、5ラウンド終了後の公開採点では48対47が2者と49対46の3-0で微差のリードを作った。

 これに奮起したか、近藤は6ラウンド、右をヒットすると、左フックの返しも決めて、初めて明白な優勢を確保。ただ、このラウンド、バッティングで永田が左目をカットしたことが、すべてを決めてしまった。

 7ラウンド、レフェリーがストップをかける前まで、近藤の右が一発ヒットしたくらいで、ほとんどアクションなし。2人のジャッジはイーブンと採点するしかなく、そのままドロー判定が出た。

 あと1分、試合が続行されて、近藤が何発かパンチを決めていれば、それとも永田が強引なプレスをかけていたなら、どちらかに勝利が転がり込んでいたことになる。

「全力を尽くしたが、この結果は悔しい。相手がうまかったです。いろいろ準備してきたことが出せませんでした」と永田。がんばり屋のチャンピオンは、何か決定打を身につけたいところ。引退をかけてリングに上った近藤は、4年前、WBOアジアパシフィックの王座獲得以来のタイトル復活を逸した。ベテランらしいうまさも見せただけに、惜しい一戦だった。

力みも目立ったが、木村蓮太朗が左ボディブローを決めてTKO勝ち

 前座のライト級8回戦では、強豪・東洋大学ボクシング部主将からプロに転向して2戦2KO勝ちの木村蓮太朗(23=駿河男児)が登場。サンダー照屋(25=平仲ボクシングスクール)に4回2分10秒TKO勝ちした。

「初めての有観客試合で、いいところを見せようと力んでしまいました」と試合後のリング上で話した木村は、その言葉どおりにスタートから力技だった。サウスポースタンスからの強引な左ストレートばかり。3ラウンド、一瞬のスキをつかれて照屋の左フックを浴びてよろける場面もあった。4ラウンド、ボディに照準を絞った木村は重い連打で一方的に打ち込み、最後は長い左ボディフック。力なく倒れこんだ照屋を見て、レフェリーはノーカウントでストップしている。

文◎宮崎正博 写真◎長岡洋幸

ボクシング・マガジン 12月号

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