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2021-01-02

【箱根駅伝】創価大学の往路初制覇は「適材適所」の配置と「ひっそり」強化の結実

チーム史上初の往路優勝のフィニッシュテープを切った三上 写真/椛本結城(陸上競技マガジン)

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奇しくも箱根一本になったことで選手層がUP


 前回大会は9位、初のシード権を獲得する躍進を見せた創価大学。今季は箱根のみならず、出雲駅伝への初出場も決まっており、全日本大学駅伝にも初出場を果たす戦力を誇っていた。つまり学生三大駅伝に初めて臨み、さらに1ランク上のチームへの足掛かりとする1年にする予定だった。

 しかし、新型コロナウイルスの影響で出雲駅伝、全日本大学駅伝の関東推薦校予選会が中止に。それでも全日本大学駅伝では書類選考で出場するチャンスはあったが、特定期間の10000mの持ちタイムを比較する選考法では次点校として涙をのんだ。だが、結果として目標が箱根のみになったことで、各選手が自身のステップアップにより集中することになった。

「もちろん、目標としていたふたつの大会が中止になってモチベーションは下がった時期もありました。ただ、夏以降は逆にじっくり各選手が強化に集中できたと思います。秋以降の記録会では、非公認大会も含めて5000m、10000mで自己記録を更新する選手が続々と出てきたことでチームに活気が出てきました。出雲、全日本がなくなったので、特にマークされるわけでも、多くの取材を受けることもなく、地道にチーム力を上げることで、選手層は着実に前年よりも厚くなってきたので、楽しみです」

 これは11月上旬時点の榎木監督のコメントだが、箱根までの約2カ月間、さらにチームをブラッシュアップし、その言葉以上の結果を導き出すことになったのだろう。

「復路は、先頭で走る楽しみをかみしめながら臨みたい」と榎木監督。
 往路は福田以外の4人が3年生以下だったが、明日の復路でカギを握るのは4年生の石津佳晃、原富慶季となる可能性は高い。

 無欲のまま大手町まで走り切れるか。注目したい。


役割を果たし、安堵の表情を見せる三上。「走り切ったので、安心しかないです。1~4区までいい流れで持ってきてくれたので、よかった。復路にも強いメンバーがそろっているので、頑張ってもらいたい」

陸上競技マガジン 1月号

箱根駅伝2021完全ガイド(陸上競技マガジン1月号増刊)

文/牧野 豊

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