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2021-02-11

【プロレス】船木誠勝が語るドロップキックの奥深さ「ものにするまで1年半かかりました」

ドロップキックについて熱弁する船木誠勝

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NOAH2・12武道館大会で拳王のGHCナショナル王座に挑戦する船木誠勝が語った昭和プロレスの一幕。今回のテーマは技の練習。若手時代の得意技であるドロップキックについて船木が語った。

――ドロップキックも練習しなかった?
船木 しないです! 坂口(征二)さんが持ったキックミットに10発しただけ。その場で跳んでの。それもデビュー戦の前に。(開場前の)合同練習の最後に「やってみろ」って言われて。そしてそのままリングに上がりましたから。
――あの当時、試合前とはいえ合同練習が終わったら、汗びっしょり、ふらふらの状態でしょ?
船木 ええ。(練習の)最後の最後、受け身取った後に。それですぐ試合。案の定ですけど、相手をロープに飛ばして蹴るっていうのができなかったんです。もう、ぶっつけ本番。やってみたら意外と相手が返ってくるのが早くて、お腹に当たっちゃったんですよ。
――ジャンプはしたけど、最高地点に届くまでに相手が返ってきたわけですね。
船木 で、控室に帰ってきたら星野(勘太郎)さんに怒られて。「ドロップキック、どこに当たったと思う?」って。「ここ(胸)狙ったはずなんですけど」って言ったら、「バカ、腹だぞ」って言われて。それからは、とにかく高くっていう意識だけで。でも次の試合でしかできないですから。高く高く高く……そればっかり考えて。そしたら最後は顔に当たって、先輩の畑(浩和)さんのアゴを折っちゃいました。それでようやく自分のものになりました。それからはドロップキックが自分の最高の技に。
――フィニッシュ技として使ってましたね。
船木 ドロップキックからの逆エビですね。
――あの頃のドロップキックって、船木選手に限らず、胸じゃなく顔をめがけて蹴れって感じじゃなかったですか?
船木 自分は最初が腹だったんで、とにかく高く高くの意識だけで。顔の当たるようになったら、今度は(高さを)調節できるようになりました。ドロップキックひとつものにするまで1年半かかりましたね。
――しかも実戦でですからね。
船木 道場で練習できないですから。そんなことやってたら、怒られました。でも、上の選手もそうでした。だけど上の選手は、試合でいきなり新しい技をやったらできるんですから。すごいなって思いました。
――いきなり試合で、この技やってみようって出したりしたんですか?
船木 ええ。まあ失敗しますけどね。お客さんもその失敗をわかって。だけど、そんな失敗できるのも若手の時だけなんですよ。

※聞き手:橋爪哲也
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