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2021-02-13

【プロレス】“髪が生えたアブドーラ・ザ・ブッチャーの弟子”が「全」も「大」もかき回す!

いつ断髪できるのか…

髪の毛が生えただけで話題に

 いま、大日本プロレスのアブドーラ・小林が燃え滾っている。キャリア25年を数える大ベテランながら、正直なところ若手より元気。アブドーラ・ザ・ブッチャーの弟子で、師匠から“アブドーラ”の名も早々に授かりスキンヘッドで闘い続けていたが、昨年のコロナ禍で“新しい小林様式”を宣言するや「世の中が、通常に戻るまでは」と自身にとっては“異常”となる髪の毛を生やし、それだけで話題を提供した。

 アブ小は血みどろのデスマッチファイターという印象が強いものの、昨年には全日本の「世界最強タッグ決定リーグ戦」に関本大介とのコンビで出陣。11・18新宿の開幕戦では現・全日本を象徴するレスラーで元三冠ヘビー級王者の宮原健斗から3カウントを奪い、和田京平レフェリーとも握手を交わす場面があり“王道公認”のプロレスラーになった。

 優勝こそ逃したが、最終戦の“暴走大巨人”諏訪魔&石川修司と対戦したさいも関本とともに激闘を展開し、制覇まであと一歩。年頭には宮原&青柳優馬が世界タッグ王座を獲得するや挑戦を表明し、その後、2・23後楽園で関本と同王座に挑むことが正式決定した。

 そんなアブ小が最近怒っているのが、全日本2・18新木場で組まれた宮原との一騎打ちを団体側から“前哨戦”と表現されたこと。「前哨戦とは、本戦の前の小規模な闘い。言っちゃ悪いけど、手合わせ程度の闘い。手合わせはいまさらするつもりはないですから!」と怒り心頭だ。

宮原との一騎打ちへ不敵な予告

 タイトルマッチに関しては「威厳もあるしプロレスの歴史もそれなりにわかっているつもり。ルールに則った闘いをやろうと思っている。権威までひっくり返そうとは思っていない」と話すアブ小ながら、宮原との一騎打ちには「いまさらシングルマッチはないだろ! 冬の風物詩と言われる大会で我々大日魂が一番のインパクトを残した。NEXTREAM(宮原らのユニット名)には勝ってるわけですから。前哨戦というのであれば、何かしらやっちゃうよ。前哨戦には“トライアル”的な意味もある。いまさらトライアルはないだろ! ブチ壊す気満々ですよ!」と、ブッチャーの弟子らしい不穏な発言を残した。

「リーグ戦に出て思ったのは、全日本のカラーがあって、大日本のカラーもあって、色と色のぶつかり合い。そのなかでウチの代表的なタッグチーム、関本大介&岡林裕二は全日本寄りの色で闘って評価されてきた。けど、自分は関本&岡林じゃない。関本は全日本寄りの色で闘えると思うけど、僕は“アブドーラ・小林”なので、いろんな色を投げようと思います。前哨戦で俺寄りの色にしたうえで、日本の最高権威のベルトに挑もうと思います」

注目のビオレント・ジャック戦でルチャリブレ!?

 また自団体、大日本では3月からデスマッチのシングルリーグ戦「一騎当千」が開幕。アブ小はFREEDOMSから襲来する“メヒコの怪獣”ビオレント・ジャックと同ブロックに入り、3・8後楽園で公式戦を闘う。アブ小はデスマッチというジャンルでは世界的に有名なトップファイターだが、ジャックとは未知との遭遇。

「勉強不足で(ジャックは)あまり知らないんでね。けど、動けるイメージはあります。結果を出している? 葛西(純)や竹田(誠志)とやってきたところで、どう見ても俺は別者ですから。日本にも慣れているけど、俺みたいなファイターとは当たっていないはず。向こうの色を見たうえで、こっちの色を出していきたい。俺が出す色に耐えられるのか!」

そういって色の話ばかりするアブ小は、相手がメキシコ人ということで珍妙な予告も。

「俺も若い頃、(大日本の)道場にTAJIRIさんルートでメキシカンがちょこちょこ来ていて、ロッキー・サンタナも住んでいた。それなりにメキシコの技を会得してますから。メキシコ流のプロレスは出せるよ、と宣言しておきますよ。ルチャリブレもやる? 当時は体重が90キロぐらいだったけど、いまは160キロ。俺がやったら“ムチャリブレ”になるかな」

 かつて大日本がバーリ・トゥード路線に舵を切ったさい、ケンドー・ナガサキさんの号令で道場近くの花形ジムやテコンドー道場に通った経験も持つアブ小。「花形進さんにボクシングも教わったもんな。褒められはしなかったけど」と笑った信州信濃の流血マシンは、注目のジャック戦に向け真面目にこう語った。

「やるからには何かが生まれる闘いがしたい。ファンから見たらトップファイター同士の闘いだろうけど、リーグ戦のなかの1試合になるのか、これから何かが生まれるのか。やってみないとわからないですね。それから(デスマッチの一騎当千に)初出場となる日本人の所属3選手=神谷英慶、石川勇希、兵頭彰! 俺以上の色を出してみろ。じゃないと、いつまでも俺の色だよ」

 世の中の異常事態に合わせ髪の毛を生やしたブッチャーの弟子は、カラフルになった頭部のごとく、最後も色にこだわっていた。

<週刊プロレス・奈良知之>

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