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2021-02-22

【大学駅伝】2021年度新入生戦力分析/箱根TOP4編 青学大は5000m13分台4人が加入

5000m高校記録保持者の石田(左)は東洋大、全国高校駅伝1区で区間賞を獲得した鶴川(右)は青山学院大へ進学する

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多くのルーキーが活躍を見せた2020年度の大学駅伝。そこで、各大学へのアンケートを基に、進学先が発表となっている現・高校3年生の注目選手を3回に分けて大学別に紹介。まずは、大学駅伝二冠の駒大、箱根駅伝2位の創価大、3位の東洋大、4位青山学院大まで。

青山学院大に鶴川ら13分台ランナーが4人

 今春には、5000mの13分台ランナーが史上最多の17人も大学に進む。なかでも有力選手が集まったのが、全日本大学駅伝と箱根駅伝で共に4位だった青山学院大で、13分台が4人。注目は、高校歴代6位の13分45秒28を持つ鶴川正也(九州学院高・熊本)だ。全国高校駅伝では“花の1区”で2年連続28分台をマーク、3年時には区間賞を獲得した。国体では1年時に少年B3000mで優勝、2年時に少年A5000mで日本人トップの2位。大舞台での勝負強さがあり、即戦力となりそうだ。

 高校3年目で急成長した野村昭夢(鹿児島城西高・鹿児島)は、昨年10月の全国高校大会5000mで優勝、11月には13分48秒83と自己記録を伸ばした。兄の峻哉(安川電機)は東洋大3年時の2017年に箱根の9区で区間賞を取っており、兄弟での活躍に期待が懸かる。

 高校駅伝の1区では区間賞の鶴川に続き、若林宏樹(洛南高・京都)が3位、喜多村慧(須磨学園高・兵庫)が8位、太田蒼生(大牟田高・福岡)が10位と、4人がトップ10入りを達成した。太田は13分55秒74、若林は13分58秒77を持つ。

 現有戦力も層が厚く、チーム内競争がますます激化するとみられる。王座奪還に向け、新入生が勢いをつけるか。

高校記録保持者の石田は東洋大へ

 昨年は5000mの高校記録が16年ぶりに塗り替えられた。石田洸介(東農大二高・群馬)が7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会で13分36秒89をマークすると、9月の東海大記録会で13分34秒74とさらに更新した。1500mと3000mの中学記録、5000mの中学最高記録に続く記録ホルダーとなった石田は、箱根で2年ぶりに3位に入った東洋大に進む。東京五輪10000m代表の相澤晃(旭化成)、マラソン代表の服部勇馬(トヨタ自動車)らを育てた酒井俊幸監督の指導を受け、大学4年で迎える2024年のパリ五輪にトラック種目での出場を目指す。

 優勝戦線への返り咲きを期す東洋大には、1500mで全国高校大会2位、高校歴代3位タイの3分44秒62のスピードがある甲木康博(城西大城西高・東京)、2年時にインターハイ5000mで決勝進出の梅崎蓮(宇和島東高・愛媛)らも加入。甲木はトラックと駅伝の両立が期待され、梅崎は安定した走力がある。

 全日本と箱根で二冠の駒澤大には、13分59秒05の佐藤条二(市船橋高・千葉)が入る。高校駅伝で世羅高(広島)の2区を務め、優勝を果たした吉本真啓が14分07秒59で続く。全国高校大会3000mSCで4位の高橋海(利府高・宮城)、2年時に高校駅伝7区区間賞の小牧波亜斗(洛南高)も実績十分。駒澤大は例年、1年目からトラックの記録を伸ばす選手が多く、動向に注目していきたい。

今年優勝を果たした駒大には、13分台を持つ佐藤(市船橋高)が進学 写真/川口洋邦
13分台の自己記録を持つ佐藤は駒大へ進学

 箱根でチーム最高の2位に躍進した創価大は、高校駅伝4区10位、14分15秒84の吉田凌(学法石川高・福島)が最速。今年の箱根メンバーも日本人選手9人中7人は高校時代に14分30~50秒台で、大学入学後に力をつけた選手ばかり。5000mは14分34秒98ながら、1500mで全国高校大会9位、3分49秒75を持つ関口友太(十日町高・新潟)など、伸びしろを感じさせる新戦力は多い。どんな選手が台頭するか楽しみだ。

文/石井安里 写真/高野 徹、川口洋邦、中野英聡

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