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2021-03-08

【格闘技通信】ONEで闘う青木真也と平田樹の不思議な師弟関係

平田樹と青木真也(C)井賀孝



 同じONEの日本人ファイターで、青木とは対照的にこれから本格的に世界と闘おうとしているのが女子アトム級のライジングスター、平田樹だ。ONEは5月28日の大会から女子アトム級GPを開幕。優勝者にはアンジェラ・リーのベルトへの挑戦権が与えられるこのトーナメント、平田は立技部門でも活躍するスタンプ・フェアテックス、元RIZIN王者のハム・ソヒらともにエントリーしている。

 平田はABEMAのリアリティ番組『格闘代理戦争』のトーナメントで優勝し、その特典としてONEと契約。プロデビュー後も4連勝を飾っている。2月22日の日本大会『Road to ONE』ではメインイベントを務め、レフェリーストップで勝利している。

 首投げからケサ固め、パウンド連打という得意パターンでの勝利だったが、それに満足できなかったのはこのGPを見据えていたからだ。

 GPに向けては打撃はもちろんレスリングも強化、よりオールラウンドな選手を目指す。そして最大の武器は闘争心だ。

「GPでは自分が一番下の立場。這い上がるだけなので。どれだけガムシャラに頑張れるかですね。おとなしい試合じゃなく、激しくぶつかり合う試合にしたい。自分の気持ちの強さを見てほしい」

 青木と同日のリモート取材会で、平田はそんな言葉を残した。平田が出場した『格闘代理戦争』では、他の選手のコーチを務めた青木。それ以来、青木は平田のことを何かと気にかけているようだ。

 平田によると、青木は「特別な存在」だ。

「今まで試合を見てた人なので。解説してもらったりアドバイスしてもらったり、普通の格闘家だったら、ないことじゃないですか。しかも女子で。光栄ですね。青木さんは周りとは違う意見を言ってくれる特別な存在です」

 2.22『Road to ONE』では、青木は中継の解説を務めた。試合内容に納得がいかない平田に、青木は「みんな“よかったよ”って言うだろうけど、俺は褒めないから」と伝えたという。無闇に褒められるより、その辛口な批評が平田にとっては救いになったはずだ。平田に期待しているからこそ、青木も意味なく褒めることをよしとしない。

「(平田は)芸事をする人間として華がありますよ。それはプロ格闘家にとって一番大事なこと。日本で他に誰かいます、こういう魅力がある子。華があるということがうまく伝わるようにしてあげたい。魅力がある、文脈(ストーリー)があると言っても本人だって分かってないでしょう。それをうまく解釈して説明してあげるのが大事かなって」

 前回は1月の青木から2月の平田へとつないだ。今回も4月の青木から5月の平田へ、大勝負が続く。

「青木さんの相手も強いんですよね。楽しみです」(平田)

 今回も勝利のリレーなるか。本人たちはことさらに意識しているわけではないだろう。一緒に練習をしているわけでもなく、いわゆる“師弟”とは違う。ただ青木と平田ならではのいい距離感、いい関係がそこにはあり、日本の格闘技ファンは、この2人を軸にすることでONEをより楽しむことができる。

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