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2021-03-11

【ボクシング】平岡アンディ、20ヵ月ぶり日本リングでTKO勝ち

強烈なボディショットを突き上げる平岡。圧倒的なTKO勝利だった

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 IBF世界スーパーライト級12位、日本同級1位にランクされる平岡アンディ(大橋)は11日、東京・後楽園ホールで木村文祐(JM加古川)とウェルター級8回戦を行い、一方的に攻めつけた末に3回2分15秒でTKO勝ちを収めた。平岡はデビュー以来の連勝を17(12KO)とした。


鋭いパンチのつるべ打ち。平岡の一方的な攻めについにレフェリーストップがかかる

平岡の圧倒的な攻め。木村は何もできず

 平岡はアメリカのボクシングプロモーション大手トップランクと契約し、ここ2戦はラスベガスで行ってきた。

「アメリカでは(隔離や検査)でストレスいっぱいの中で、試合内容が求められる」

 試練の戦いは、平岡をどこまで成長させたのか。対戦者の木村とは3年前に対戦し、採点こそフルマークだったが、微妙に間合いを作る相手を攻めきれた実感はなかった。

 そしてこの日、平岡はこの旧敵を圧倒する。じりじりとプレッシャーをかけ、木村を追いつめる。ラウンド終盤には左アッパーから右フック、さらに左ストレートとクリーンヒット。木村の足取りが重くなる。2ラウンドになると、平岡のスピーディーな攻めは多角的に、なおパワフルになっていく。木村はまったく太刀打ちできない。ガードを固めるだけが精いっぱい。その右目上からは流血も見えた。3ラウンドも一方的。平岡の猛攻の前に、防戦一方の木村を見て、レフェリーが試合をストップした。

「早くチャンピオンベルトがほしい」と平岡。願いが叶うまで、そう時間はかかるまい

 久々の日本のリングでの快勝に、平岡はまずは満足げ。同じ対戦相手を圧倒した内容に、自らの成長も実感できたはず。「でもね、そろそろベルトが欲しい。うちのジムのレジェンドたちはいっぱい持っているから。ぼくはひとつでいいから、腰に巻きたいですね」

 これを受けて、大橋秀行会長は「空位のWBOアジアパシフィック王座決定戦出場の優先権を持っているから、あとは相手を探すだけ。ただ、井上尚弥の試合がアメリカで決まったら、一緒に行くことになるかもしれない」。いずれにしろ、平岡がチャンピオンを名乗る日はそう遠くない。

 また、セミファイナルでデビュー戦を飾った元K-1スター、武居由樹に対しては、「僕は彼を尊敬している。一緒に成長していけたらうれしいですね」と語っていた。
スピード豊かなコンビネーションで、桑原(右)はポイントを連取していった
スピード豊かなコンビネーションで、桑原(右)はポイントを連取していった

桑原は8連勝。日本ユース王座に小畑

 スーパーフライ級8回戦には、期待のスピードスター、桑原拓(大橋)が登場し、湊義生(JM加古川)に大差の判定勝ちを収めた。

 桑原は前戦から15ヵ月空いての登場になる。湊の思い切りのいいパンチを何度かかすめられるが、スピード豊かなコンビネーション、パンチの回転力で、スリリングな攻防のなかから無難にポイントを拾っていった。

「今日のような出来じゃダメです」。桑原のコメントは重かった。たしかに本来の跳梁感はいまひとつだったかもしれないが、ブランクを考えれば仕方ない。それでも厳しい自己採点は、望みの高さの現れと受け取りたい。
左ショート一撃。小畑は痛烈に日本ユース王座を奪った
左ショート一撃。小畑は痛烈に日本ユース王座を奪った

 日本ユース・ウェルター級王座決定戦は、小畑武尊(ダッシュ東保)が日本同級4位にランクされる安達陸虎(大橋)に1回2分3秒TKO勝ちした。

 14勝11KO(2敗)の安達が長身から左右ストレートを速射した直後、サウスポーの小畑の左ショートが炸裂。仰向けに倒れた安達のダメージは大きく、レフェリーはそのままストップをコールした。

 地方ジムの中・重量級は練習相手にもこと欠く厳しい状況にある。小畑の勝利は快挙と言っていいのだろう。

文◎宮崎正博 写真◎小河原友信

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