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2021-04-22

【プロレス】28歳の武藤敬司が「マジにWWFに行きたい」

インタビューに答える武藤敬司

 1991年7月12日収録のインタビューで武藤敬司が“海外”について当時の持論を展開した。

 同年7月19日の新日本プロレス札幌大会でグレート・ムタとして秋からWCW長期遠征が決まっている馳浩&佐々木健介と対戦。武藤はこの一戦に向けて「アメリカに行く前の儀式をオレがしてやろうかなと。しょせん、彼らは新日本とWCWが友達になってから送られるんでしょ。オレは、グレート・ムタは違うからね。向こうで一匹で拾われたんだから、そういうプライドの違いを見せてやる」と宣言。そこまで豪語できるのは異国でイチから積み重ね、トップ戦線に食い込んだ自信があるからだ。

「アメリカ行って食えたレスラーなんて、最近いないじゃない。日本に帰ってくる選手はいっぱいいるけど、今現在、アメリカへ行って食える選手もいないかもしれない。アイツら(馳&健介)が今度WCWでオーバー(トップに上がる)したら、オレはWWFあたりに一人で乗り込んでやろうかな。なんか他のレスラーにできないことをやんなかったら、自分の価値観は上がっていかないよ」

 当時、WWFは新日本と業務提携しているWCWのライバル団体。新日本と絶縁関係にあった天龍源一郎率いるSWSと業務提携しており、武藤が新日本所属のままWWFに参戦するのは不可能だ。

「マジにWWFに行きたい。だって証明してぇじゃん。メガネ(SWS)が提携してたって、WWFでオーバーしてる選手いないんだよ。いくら提携してたって、実際アメリカに行ったって誰も使ってくれねぇんだから。(オレは違うんだということを)証明したいんだよ」


 それまでWCWで活躍した日本人は武藤だけ。しかし、新日本との業務提携によって遠征が日常のことになれば「オレの格が普通化されちゃうという、そういう気分の悪さがある」。だからこそ、当時は誰しもができないであろうWWFでのトップ取りという壮大な夢物語を誌面で語ったのである。

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