1997年9月23日、新日本プロレス日本武道館大会で武藤敬司が衝撃のnWo入り! 同年5月26日(現地時間)にアメリカWCWでグレート・ムタがnWo入り。素顔の武藤は本隊として6・5武道館で橋本真也のIWGPヘビー級王座に挑戦していた。
その後はムタとして試合に出場していたが「三軍対抗タッグトーナメント」決勝で味方であるはずの天山広吉に毒霧を噴射。試合後にはペイントをはがす仕草を見せていた。
ムタのnWo離脱&武藤の本隊復帰か!?という中で迎えた武道館決戦。ムタは蝶野正洋と組んで、佐々木健介&山崎一夫組と対戦。顔のペイントはnWo加入以来「nWo」だったが、この日は「炎」と逆さまの「忍」。蝶野とも明らかに距離を取っている。
試合開始13分過ぎに事件は起こった。蝶野のダイビング・ショルダータックルがムタに誤爆。ムタは蝶野に突っかかり、そのままリングを降りると控室へと姿を消す。場内には大「ムトー」コールが響く。
蝶野が約3分間、ローンバトルを強いられ、しばらくすると武藤がムタのペイント&パンタロンではなく、素顔でオレンジのショートタイツで登場。リングインして、nWoのリストバンドを叩き捨てた。
nWo離脱の意思表示…と思わせ、健介にドロップキック! さらに、蝶野との連係も決め、最後はムーンサルト・プレスで健介から3カウントを奪取。試合後、武藤は「当たり前の結果を証明しただけだから。いいか、同じポリシーのあるヤツはみんな誘ってやる。同じポリシーのあるヤツはみんな受け入れてやる」と語った。
試合中にムタから武藤へと変身して、まさかのnWo入り…。プロレス史に残る一大造反劇だった。
週刊プロレス 5月19日号(WEEKLY PRO-WRESTLING No.2121)