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2021-07-06

ストロングマントレーニングで大注目! 次世代パワーファイターのNOAH“強男”稲村愛輝【週刊プロレス】

巨大タイヤと稲村愛輝

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 NOAHの稲村愛輝は今年春から本格的にストロングマントレーニングを導入。持ち前のパワーファイトにさらに磨きをかけている。NOAHでは着実に頭角を現し始めている中で、7月2日に開幕したZERO1シングルリーグ戦「第21回 真夏の祭典・火祭り2021」にも出場中。ストロングマン…“強男”への道をばく進し始めた稲村愛輝に迫る。

――現在の体重は?

稲村 120㎏のままです。ちょっと増やしたら動きづらくなりそうなので。増やそうと思えば、増やすこともできますけど。

――ストロングマントレーニングを取り入れてから変化はありましたか?

稲村 肩周りと握力がだいぶ強くなりました。あと体の真ん中の筋肉。なんか芯が一本通ったような感じになりました。初めて体幹を実感しました。

――器具などで鍛えられない部分に効いているようですね。

稲村 普段は使わない細かい筋肉を使うって感じなので。どこが大きくなったというよりも、全体的なシルエットの底上げというか、全体的に大きくなった感じです。

――試合にも生かせる部分はありますか?

稲村 けっこう息が上がるんですよ。砂袋を持って運ぶって種目もあって、体重が増えたわりには試合で息が切れないようになりました。あとは単純に人を持ち上げるのが楽になりましたね。石とかでも120㎏ぐらいまでなら、肩まで上げられます。

――石も持ち上げるのですか?

稲村 石とか砂袋とかも持ち上げます。基本的に持つって想定されていない物を持ち上げる競技なので。指の力、手の力もつきますね。

――ほかにどんな競技があるのですか?

稲村 タイヤだったら、お互いに返し合うみたいなのもあります。自分が練習に行かせてもらってるジムの名物「タイヤ相撲」です(笑)。自分はまだやったことがないですけど。

――基本は道場で100㎏、350㎏のタイヤでトレーニングしているのですか?

稲村 はい。だいたい350㎏のタイヤを返す「タイヤフリップ」とか100㎏のタイヤを後方に投げる「タイヤスロー」とかタイヤを引っくり返した後で10回ジャンプ乗り降りする「フリップジャンプ」とかです。

――ストロングマンを取り入れてから各方面への反響がありましたね。

稲村 SNSとかこんなに反響があると思いませんでした。みんな知らなかったから驚きがあったと思います。

――いつから始めたのですか?

稲村 今年の春ぐらいだから2、3カ月前ですね。100㎏と350㎏のタイヤをもらったんです。

――どんなきっかけでストロングマントレーニングを始めたのですか?

稲村 いろいろとお世話になってる澤宗紀さんつながりで会った中嶋健詞さんという日本のストロングマンの第一人者ですね。昔からでかい人への憧れがありました。

――コスチュームもタイヤをモチーフにしたものに変更しました。

稲村 タイヤの人になりました(笑)。体型もタイヤみたいになってきたって言われます。ペットと飼い主が似てくるみたいな感じで。ストロングマンやってる人はなぜかみんな体が丸っこいですね。力持ちって感じ。元WWEで現AEWのマーク・ヘンリーとかもやっていて、ストロングマンで世界一になったこともあります。ストロングマンのドキュメンタリーとか見るとマーク・ヘンリーが有識者としてけっこう出演してます。

――試合で具体的にどんな技に生かされていますか?

稲村 投げっぱなしジャーマンとかGEKITOTZ(相手にぶちかましを決めてコーナーに叩きつける技)ですね。

――さて、ここからは火祭りの話に移ります。なぜ出ようと思ったのですか?

稲村 田中将斗の強さに触れてしまったからですね。前だったら、すごいなって憧れになってたと思うけど、シングルでやられた時(NOAH5・3TVマッチ)は自分の無力さを感じました。その後、ふつふつと悔しさが出てきて、火祭りに参戦すれば、田中将斗とまたシングルができるかなって。超えたいって気持ちが強くなりました。

――火祭りにどんなイメージを持っていますか?

稲村 自分のイメージだと今回もそうですけど、いろんな団体からある程度地位が固まった選手たちが集まって強さをぶつけ合うようなリーグ戦ですね。もっと昔は未知の外国人選手とか出ていて、祭りっていうだけあってワクワク感があるなって感じですからね。

――今回の出場選手では一番キャリアが浅いです。

稲村 佐藤嗣崇選手がちょっと先輩ですね。ざっくりと言えば、太嘉文選手、吉田綾斗選手も同世代だと思ってます。ほかの選手はかなりキャリアが離れていますね。

――田中選手と同ブロックです。

稲村 願ったり叶ったりですね。しかも、Aブロックは前年度覇者のハートリー・ジャクソン、ミスター火祭りの大谷さんもいる。普通に考えたら、かなり厳しいけど、そういう厳しいところに身を置いてこそ本領を発揮できると思ってます。逆に嬉しいですね。

――昨年9~10月のNOAH「N-1 VICTORY」では全敗という悔しい結果でした。

稲村 ありきたりな表現になりますが、その時の自分ではないので。リーグ戦は大日本さんの一騎当千を含めて2回しか経験がない。でも、不安は今回の火祭りに関してはまったくないですね。今の自分ならば優勝できるという気持ちがかなり強いです。根拠のない自信かもしれませんけど(笑)。試合にしろ、練習にしろ、まだまだこんなもんじゃないって思いながら続けてやってるんで。それをどこかで発揮しなければいけない。この火祭りで爆発させるつもりです。

――現在のNOAHは試合数も限られていますからね。

稲村 シングルが組まれることは滅多にないですからね。そういう中でシングル5試合できるのはありがたいですよ。でかい人もいれば、でかさじゃない強さを持ってる人もいる。

――阿部史典などは体格差関係なくまさに気持ちで闘うタイプです。

稲村 阿部さんの試合、けっこう見ちゃうんですよ。自分がNOAHに入門する前から澤さんつながりで会ったことがあって、まさか試合する日が来ると思わなかったです。

――佐藤選手にはどんな印象を持っていますか?

稲村 でかいですよね。こないだリング上で見ても思ったよりもでかかった。フリーで精力的にやってるじゃないですか。若いのに行動力もすごい。行動力ってプロレスにおいて大事だと思ってるので。

――5選手とも意味のある闘いになりそうですね。

稲村 大谷さんとは初対決です。NOAHに入る前から見ていた人。プロレスはもちろん、いろいろな意味で熱がすごい人じゃないですか。ああいう熱さは自分もずっと持っていたい。熱さでも負けません。

――Bブロックで気になる選手はいますか?

稲村 入江茂弘さんですね。

――なぜですか?

稲村 阿部さんと同じなのですが、なぜか気になって、試合を見ちゃうんですよね。将軍岡本選手のパワーも体感してみたいです。

――相撲つながりですね。

稲村 自分は高校までやってただけです。岡本選手は十両まで上り詰めた人ですからね。実はまだ相撲出身のプロレスラーとまだ対戦したことがないんですよ。

――最後にどんな自分を火祭りで見せて、何を吸収したいですか?

稲村 見せるのはナンバーワンのパワーですね。優勝して火祭りすべての強さと熱さを吸収したいです。

(プロフィル)
いなむら・よしき/1992年11月18日生まれ。栃木県大田原市出身。'18年9月2日、NOAHでデビュー。'19年5月に拳王率いる金剛入り。11月の両国大会でマサ北宮をパートナーにGHCタッグ王座に初挑戦。昨年10月に金剛を離脱して正規軍に加入。清宮海斗を猛追するNOAH新世代期待の星。182cm、120kg。得意技は無双、スプラッシュマウンテン、GEKITOTZ。
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