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2021-07-05

【陸上】男子100m王者の多田修平「オリンピックは100mで決勝、リレーでは1走で金メダルに貢献したい」

オリンピックへ向けての抱負を語った多田 写真提供:住友電工

東京五輪100m代表に内定した多田修平(住友電工)が7月5日、大阪府内で記者会見を行い、初優勝を飾った日本選手権の感想、来るオリンピックに向けての抱負を語った。

 五輪代表選考会となった日本選手権男子100mで初優勝を飾り、初のオリンピック代表内定を勝ち取った多田修平(住友電工)。レース終盤にはつい周囲の状況を見てしまうシーンの多い多田だが、決勝は自身のレーンに集中。残り20m時点でおぼろげなかがら「優勝を確信した」という。

「80mまでは全く覚えていませんが、僕の場合は集中しているときほど覚えていないので、集中していたことだと思います」

 また、100mでは過去3年連続5位と苦しい時期を過ごしてきたことから「オリンピックに内定してきたこともうれしかったですが、日本選手権に勝った喜びが大きかった」と、レース直後に珍しくガッツポーズで喜びを表現したことを振り返った。

 今季は、順調に冬期練習をこなし、手ごたえをつかんでシーズンイン。「いつも自分は春先調子が上がらず、徐々に上げていくタイプ」というように、競技会を通して課題を一つひとつ見出し、クリアしていくことを繰り返しながらレースを積み重ねてきた。

 そして山縣亮太(セイコー)が9秒95の日本新記録を出した6月6日の布勢スプリントでは日本歴代6位となる10秒01をマークし、五輪参加標準記録(10秒05)を初めて突破。これが日本選手権優勝の遠因になったという。

「記録面での条件をクリアして臨めたことが、今回の優勝につながったと思います。今回の条件(降雨の後のレース)で、標準記録を出すことは難しかったと思いますし、逆に標準記録を突破していなかったら、今回の優勝も見えてこなかったかもしれません」

 多田は前回のオリンピックイヤー(2016年)の日本選手権では準決勝で敗退。本大会で4×100mRメンバーたちが銀メダルを獲得する姿に「まだ自分がそのレベルの選手ではないことを感じましたが、リレーの4選手と差が開いてしまった」という悔しさもあったという。しかし翌17年の日本選手権100mで2位に入り、ロンドン世界選手権の代表入り。そのときから東京五輪で100mのファイナルの舞台に立つことを目標としてきた。もちろん4×100mリレーに意欲的。17年、19年と連続銅メダルを獲得した世界選手権では1走を務めて貢献していることもあり、金メダルを目指す今大会は、「1走」を志願している。

「自分の場合、大きな場(大会)のほうが、集中できます。オリンピックは日本選手権より過度な緊張はしないと思いますので、適度に緊張しつつ楽しめれば。100mは準決勝で9秒台、リレーでは1走で良い流れをつくって、金メダル獲得に貢献したいです」

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