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2021-07-16

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所13日目の一番】19歳の北青鵬、序ノ口から幕下まで全制覇

6戦全勝同士、幕下優勝を懸けた一番は長身の北青鵬が圧力で石崎を寄り倒し序ノ口から幕下まで全制覇、新十両昇進に花を添えた

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北青鵬(寄り倒し)石崎

幕内の優勝争いは白鵬、照ノ富士ともに譲らず、それぞれ髙安、正代の難敵を降して全勝を守った。13日目は各段の優勝が決まる日で、幕下の優勝が決まる一番を取り上げたい。

新十両昇進を確実にしている西幕下2枚目の北青鵬が幕下優勝を懸けて石崎(高砂)との対戦を迎えた。

北青鵬は序ノ口、序二段、三段目で連続全勝優勝して、幕下は3場所目。モンゴル生まれも5歳から日本で暮らしており、外国出身力士枠の対象とならなかった。鳥取城北高時代は個人戦では大きなタイトルは獲得できなかったが、団体戦では非常に強かった。2メートルの長身で体重は170キロ。将来の横綱候補と言っていいだろう。

石崎は先場所、三段目最下位格付け出しでデビューし、いきなり三段目優勝。昨年のインカレ個人戦で3位。日体大ではキャプテンも務めていた。176センチ、120キロと小兵ながら筋肉質でいい体をしている。

立ち合い、頭から低く当たった石崎。二本深く差して頭をつけたが、北青鵬は肩越しに両上手をつかむ。その体勢で廻しを引き付けて前に出るも、石崎は土俵際で体を入れ替え、相手の左上手を切った。右上手だけで前に出る北青鵬に対して左下手投げを放った石崎だが、相手に腰を寄せられ、その圧力に寄り倒された。

優勝して新十両昇進に花を添えた北青鵬は、「今場所は幕下優勝して十両に上がるのが目標だった」とうれしそう。序ノ口優勝のときに「6場所で十両に上がる」と大きな目標を掲げていたが、それに近い形で達成。

「自分の言葉に責任を持たないといけないので、有言実行できてよかった。夢は横綱なので、次は新入幕に向けて新十両で二ケタ勝てるように頑張ります」と威勢がよかった。

小学生のときに白鵬に声をかけてもらい、白鵬の薦めで中学から鳥取西中に相撲留学。「帰りの車は横綱と一緒で、アドバイスをしてくれます。『寄っていくときにヒザが伸びている』とか、課題はそういうところです。今日は『廻しを取りなさい』とだけ言われました。いい報告ができてうれしいです」

まだ19歳で、11月の誕生日で20歳となる。相撲は粗削りで素質だけで勝っている印象で、白鵬も教え甲斐があるだろう。「稽古場では横綱に胸を出してもらっています。横綱の技術をもっと教えてもらいたいです」と目を輝かせる。今後が非常に楽しみな大器だ。

文=山口亜土

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