大会7日目/7月30日(金)
男子100kg超級原沢 久喜[百五銀行]
HARASAWA Hisayoshi
2016年リオ五輪決勝で、王者リネール(フランス)をあと一歩まで追い詰めたものの優勝を逃した原沢。5年越しとなる金メダル奪取に向けて誰よりも思いは強い。
リオではリネールと熱戦の末の準優勝、東京まで代表争いを独走するかと思われたが、17年の世界選手権はまさかの初戦敗退。「オーバートレーニング症候群」を発症し調子を崩した時期もあったが、静養と徹底した食事療法で回復、18年の全日本選手権では15年以来2度目の優勝を果たした。
翌年5月のグランプリ・モントリオール決勝では、リオ五輪以来となるリネールとの対戦では延長戦の末、「技あり」で敗れたものの、本来の力強い柔道を取り戻し、その後は世界選手権で準優勝、そして2020年のワールドマスターズでは金メダルを手にして自信を深めた。
4月に行われたグランドスラム・アンタルヤ、アジア・オセアニア選手権では結果を残し「リオのときよりも充実している」と本番に向けて気を引き締める。
原沢は東京五輪を「キャリアの集大成」と位置づけており、何が何でも世界一の称号を手に入れたい。
◎原沢久喜の柔道スタイル決して超攻撃的なスタイルではないが、要所要所でしっかりとした攻撃ができるのが持ち味。攻撃だけでなく相手の技を返したり「後の先」の攻撃も持っている。内股、大外刈を中心に攻撃をする、オーソドックスなタイプ。
悲願の「打倒リネール」に挑む原沢久喜(写真/IJF)Profile
はらさわ・ひさよし◎1992年7月3日生まれ/山口県出身/大西道場/日新中-早鞆高-日本大-日本中央競馬会-百五銀行/191cm/右組み/得意技=内股/15・18年全日本選手権優勝、16年リオ五輪2位、18年世界選手権3位、19年世界選手権2位、19年ワールドマスターズ優勝、21年GSアンタルヤ2位、21年アジア・オセアニア選手権優勝