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2021-07-24

【Tokyo2020 ボクシング】展望:女子フェザー級 入江聖奈にメダルのチャンスあり

端正なファイトを見せる入江(右)はメダル圏内にいる

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 あるいは、入江聖奈(日体大)にとって大きなチャンスである。強敵、難敵は違うブロックに入り、早い段階で当たるライバルで警戒すべき相手は限られる。力をきちんと発揮できれば、上位進出も夢ではない。

女子フェザー級(57キロ級)

シード選手
1 林ユーティン(台湾)
2 フルド・ハリミエプムラヒ(チュニジア)
3 ジュシエレン・ロメウ(ブラジル)
4 マイケラ・ウォルシュ(アイルランド)

日本代表
入江聖奈(日体大)

 今大会から採用となったこのクラスには、魅惑のボクサーが数多くいる。ただ、大胆に予想するなら、金メダル候補はふたりに絞っていいのかもしれない。ヨーロッパ予選優勝者のイルマ・テスタ(イタリア)と、アジア予選決勝で入江を破った林ユーティン(台湾)だ。ともに長身で、質の高いボクシングを見せる。
スリムな体からシャープなパンチを飛ばす林ユーティン
スリムな体からシャープなパンチを飛ばす林ユーティン
クラシカルなテクニシャン、テスタ(右)はノーシードからの登場
クラシカルなテクニシャン、テスタ(右)はノーシードからの登場

 テスタは今どき少なくなったイタリア伝統のクラシカルな技巧派。ステップ、上体の動きでパンチをかわし、長いパンチで着実にポイントを積み上げる。たび重なる採点方式の改定から。最近は攻撃偏重の選手が目立つようになったが、魅せるテクニシャンの久々の出現はうれしい限り。林は体の強さが光る。サウスポーにスイッチすることもあるが、厳しいジャブ、長い距離からストレートを打ち込む。その戦いぶりはなんとも凛々しい。

 このほか、小柄な猛ファイター、ネスティ・ペテシオ(フィリピン)、これまた力感あふれるスラッガーのリュドミラ・ボロンツォワ(ロシア)。彼女たちはすべて入江とは別のブロックに入っている。
 運がいいから上位進出と言っているわけではい。力のある右ストレートを軸に好戦的に展開するボクシングは、基本に忠実な分だけ、強敵と戦うごと、安定感を増していくはず。五輪という最高の舞台でキャリアを重ねられるのなら、なおさらだ。
精度の高い左カウンターがアーティングストールの持ち味
精度の高い左カウンターがアーティングストールの持ち味

 入江が初戦を突破できたなら、第2シードのハリミエプムラヒと戦うことになる。アフリカ予選トップ通過の荒々しいファイターだ。安易に巻き込まれなければ勝機は十分すぎるほどにある。そのあとは、たぶんロメウかカリス・アーティングストール(イギリス)の勝者が相手だ。ロメウはバランスのいいボクサーパンチャー型で、右ストレートはむろん、投げ捨てるような左フックに凄味がある。サウスポーのアーティングストールは距離感がよく、カウンターで狙ってくる左ストレートが最大の武器だ。どちらが相手コーナーに立っていたとしても、入江は厳しい戦いを覚悟しなければならない。

文◎宮崎正博 写真◎ゲッティ イメージズ、BBM Photos by Getty Images

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