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2021-07-29

【Tokyo2020 ボクシング】森脇唯人は2回戦敗退。優勝候補・ヒズニャクの強打に0-5

ヒズニャク(左)の攻勢に遭う森脇

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 東京・両国国技館で開催されている東京五輪ボクシング競技の男子ミドル級2回戦が29日に行われ、“村田諒太の後継”を期待された森脇唯人(24歳=自衛隊体育学校)は、“優勝候補”にも挙げられているオレクサンドル・ヒズニャク(25歳=ウクライナ)に0-5(26対30、26対30、27対30、27対30、27対30)で完敗を喫した。

 やはり、ヒズニャクのパワフルな攻撃力は尋常ではなかった。初回開始ゴングが鳴るやいなや、いきなり猛然と進んできてワンツーを繰り出したかと思うと、執拗に森脇の眼前を振りまくる。長身の森脇は、当初こそ入り際に左フック、右アッパーカットを狙い、距離を築いて長い左ジャブから立て直しを図ったものの、とにかくヒズニャクの圧力が強すぎる。あっという間に間近に迫られてしまった。

森脇得意の左に右強打を重ねられる。これで長い左を使いづらくさせられた
森脇得意の左に右強打を重ねられる。これで長い左を使いづらくさせられた

 意を決して、足を止める森脇だったが、この超接近戦でもヒズニャクの攻撃力はずば抜けていた。上から振り下ろすように放つ右フックを3発、4発、5発と続けて森脇のテンプルを叩く。腕相撲のような腕の使い方は、単純に腕力の強さを示すもの。かと思いきや、顔面へのフックから左ボディブロー、外を意識させておいて右アッパーカットで中を通すなど、荒々しい攻撃の中にも、理詰めのパターンはいくつも見えた。

 2ラウンド開始早々には、左に右クロスをかぶされて、やはりテンプルを捉えられてダメージ。直後に引き倒した形となって、レフェリーはダウンこそ取らなかったものの、劣勢は一層色濃くなった。
 パワーファイトを止めるには、強い一撃しかない。頭ではボックスしようとも、体はどうしても別の反応をしてしまう。長い腕を力強く振り回して強打を狙うが、ヒズニャクはスッと止まってそれをかわし、外しざまに入って連打。ゴツゴツと強いパンチを集められ、心身ともにダメージは積み重なっていった。

 最終3ラウンド、森脇はすべてを出し尽くそうと反撃を試みたが、ヒズニャクのスタミナも驚異。大逆転の攻撃を見せることはかなわなかった。

やはりヒズニャクは強かった。森脇も最後までよく粘り抜いた
やはりヒズニャクは強かった。森脇も最後までよく粘り抜いた

文◎本間 暁 写真◎ゲッティ イメージズ Photos by Getty Images

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